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記録だけでは語れない4年間。
陸上競技部を率いた主将・副主将最後の全日本インカレ
大会名:全日本学生陸上競技選手権大会
場所:日産スタジアム
日時:2026年9月6日
2026年9月5日~9月7日、日産スタジアムで第95回日本学生陸上競技対校選手権大会(全日本インカレ)が開催されました。いわゆる全国大会となる本大会、毎年本学からも多くの選手が活躍しています。全国レベルで戦い続ける陸上競技部は、全ブロックの選手・スタッフを合わせると300人を超える大所帯です。今回は9月6日全日本インカレへの取材と共にそんな陸上部を率いる主将・副主将に現地でお話を伺いました。

右:女子主将 森下愛梨さん(スポーツ科学部4年)
左:女子副主将 山田佳花さん(スポーツ科学部4年)
ライト 今大会を終えた感想や、当初思い描いていたこととのギャップだったりはありましたか?
森下さん 今シーズンはケガによる不調で、まさか自分もここでラストレースになると思っていなくて、「ここで学生ラストレースになってしまったか...」というのが正直なところです。
この全日本の舞台に立つまでもほんとに一瞬で、最後の100mのスタートラインに立った時は、これまでのことを一気に思い出しました。100mは速すぎましたね、一瞬でした。気持ちだけでは何ともならないなと実感しています。悔しいなあという思いもありつつ、走れたことにほっとしていたりもします。
山田さん 今回出場した5000m競歩というのが普段は全く出場していない種目で、2年ぶりだったんです。普段は20km、42.195kmのようなマラソン距離のロードレースなのでかなりイレギュラーではありましたし、ぶっちゃけ苦手ではありました。やっぱり5000mってずっとダッシュで最初から高速レースの位置取り勝負になるので少々てこずりましたね。
実はこの春から4回肉離れをしていたので、5000mでスピードを上げるのがものすごく怖かったです。自然と練習も5000m中心からマラソンに向けた練習に寄ってしまう感じでした。ここまではものすごく苦しい1年でしたね。気づかないうちに癖になっちゃうのでしんどかったです。
ただ、私はここからがマラソンのシーズンインになるので距離が長くなる分楽しみな気持ちも大きいです。社会人の方たちとも戦う場になってくるので自分の力を試していきたいです。

ライト ケガもあったとのことでしたが、ここまでのコンディションの整え方や、マインドコントロールなどはどんなことされていましたか?
森下さん 実は今回のレースまで、ダッシュを1回もできずにいました。そのためこの期間はマインドコントロールに全振りしていて、本番どういう気持ちで召集所にいるのかな、とか考えていたのですが、これまで支えてくれたコーチのこと、仲間のことを裏切りたくないという気持ちが一番強く、何とか繋いでいられた感じです。
あと、今回の会場はブルータータンだと聞いていて、ブルータータンが好きだったので走るのを楽しみにしていました。高校の時ブルータータンだったので慣れ親しんでいましたし、落ち着くので好きだったんです。でも実際に入ってみたらめちゃくちゃ赤かった笑。
でもちょっと顔を上げたらスタンドは青い座席で埋まっていて、それを見たらなんだか落ち着けて、逆に下向かなくてよかったかな。
ライト 中京大の陸上競技部はブロック(短距離、長距離、投擲、跳躍など)に分かれるとはいえ、300人以上が在籍する大所帯でケガのことも考えると出場メンバーに入る・入らないっていうところもかなりシビアかと思いますが、実際に名前を呼ばれたときはいかがでしたか?
森下さん 実はそこにもエピソードがあって。記録として全日本インカレに出られるA標準はクリアしていて、選ばれる可能性はあったんですけど、今シーズンのタイム的に見ると後輩の記録次第という状況だったんです。私は選考会で予選だけ走って足を痛めてしまっていたので後輩の記録を待つ形でした。正直選ばれたときはホッとしましたし嬉しい気持ちもありましたが、後輩もこれまですごく頑張ってやってきた姿を見ているので複雑な気持ちではありました。ただ、主将という立場からも後輩にカッコいい姿は見せたいなとも思っていました。
ライト 山田さんはここからまだまだ大会が続くかと思いますが、インカレからロードシーズンへとむけてモチベーションの変化はありますか?
山田さん 競歩ブロックではインカレは確実に出られる状況だったので、全日本インカレには昨年から焦点を当ててきました。とはいえ、5000mとなると普段のロードの8分の1で距離差が大きくなる分トレーニング内容も変わってくるので、それこそインカレを主軸にというよりも、そのあとのマラソンシーズンに繋げる気持ちでいました。ここからの大会は日本選手権など、社会人の方も混ざってもっとレベルが高くなるのでそこへの怖さはあります。ただ、北京世界陸上への代表選考を兼ねた選考レースになってくるのでどこまで戦えるかわかりませんが自分の位置をきちんと把握して今できるだけの準備をしていこうと思っています。


ライト 大学4年間を振り返ってみて大学での競技生活はいかがでしたか?
森下さん 1年生のころから毎年100mの自己ベストを更新できていました。けがにも悩まされてはいたんですけど、3年生まではうまく乗り越えて、PB(自己記録)を更新してこられたのでそこは満足しています。ただ、全カレ(今回のような全日本インカレ)や大きい大会のインカレ系で結果を出すことができなくて。結果を残せたのが2年生の西日本インカレだけなので、チームに貢献できなかったなという気持ちが悔しさとして残っています。特に今年は主将を任せていただいて、言葉で皆を引っ張ることが苦手だからこそ後輩を背中で引っ張れるように自分が得点を稼いで、コーチにも皆にも喜んでもらいたい思いで1年間やってきたのでその思いはより強いです。
4年間を振り返るとあっという間だったなという言葉に尽きます。本当に一瞬。ブロックも分け隔てなく仲の良い仲間に恵まれて本当に良い環境で競技できたと感じています。
山田さん 私も1年生のころからケガを繰り返してきていて、フォームを改善してから2年生、3年生、4年生と記録は徐々に上げ続けてこられました。
競歩(の選手)って高校とかだと1つの学校に2人いれば多い方で、私も高校の時までは長距離の中に1人だけ競歩もやっているという状態でした。大学に上がって、全国トップレベルの同期や先輩・後輩に揉まれて、最初はインカレも1回出られたら十分だって思うぐらいレベルも高かったけど、気づけば3回目のインカレに今年も出ることができて本当に4年間いっぱい良い経験ができました。ただ、それと同時に、高校の時はインターハイに出られるだけで嬉しかったのが、今はインカレで入賞しないと満足できなくて悔しいと思うようになりました。私も愛梨(森下さん)と一緒でインカレの類は記録が出せないまま全日本インカレが終わってしまったので今悔しい気持ちでいっぱいなんです。その分ロードレースでより高いレベルの人たちとの勝負を頑張りたいと思っています。
森下さん あと、全体では3桁を越える人数が所属する陸上競技部ですが、同期の間で色んなブロックの人と関わる機会も多くて、同期の競技レベルの高い子たちと一緒にいる中でもらう刺激も大きかったなと思います。
山田さん それこそ私たちも種目は全く別ですが、お互いケガが多かったこともあって、わざわざ報告することはないけれど、同じ競技場の中「走ってないな」とかはわかるので、言わずともお互い頑張ろうって気持ちになったりもしましたね。
森下さん 人が多いので全員と関わることは難しいけれど、後輩たちには、4年間あっという間だから悔いの無いようにいい刺激を与えあって、楽しんで陸上やってほしいなっていうのは伝えたいです。
社会人や大学院進学などそれぞれの進路で競技を続行する予定だという2人。ケガを乗り越えながら着実にステップアップする姿を見せてくれた4年生のこれからの成長を応援しています!
【取材・執筆】
宇都 亜衣菜(文学部3年)
岡田 美虹(スポーツ科学部4年)