Discussion Paper No.1402

Abstract :
内閣府では、県民経済計算の支出勘定の枠組みに準じた総合性・体系性と地域別QEや景気動向指数CI/DI に求められる迅速性、都道府県間の比較可能性を備えた新しい地域経済指標作成の検討がなされ、地域別支出総合指数(RDEI)として2012 年度より公表されるようになった。現在、2002 年4 月以降の全国11地域ブロック別消費総合指数、民間住宅総合指数、民間企業設備投資総合指数、公共投資総合指数が公表され、併せて都道府県別参考値も公表されている。これらは民間部門・公的部門の支出の大部分をカバーするものであるが、域外需要である輸移出および輸移入の動向は捉えられない。ここでは、輸移出入という域外指数の追加作成を試み、それらを含めた総合指数を作成した上で、域内需要指数との相違について都道府県別に比較、検討を行う。これにより、輸移出の多い県では、2008年リーマンショック前後のダイナミックな動きを捉えることができる。また、震災県では復興需要のため内需の伸びは大きいが、外需に対する対応はまだ戻っていないか、需要の一部が移入を通じて漏出している。また震災隣接県では移出入を通じて復興需要の恩恵を受けている、などが示される。