第1回 八事セミナー(古川 雄一 氏)

要旨:
 歴史を通じて、イノベーションを先導する国家は絶えず入れ替わっている。本研究は、このような技術リーダー国の時間を通じた入れ替わり―いわゆる「リープフロッギング現象」―が繰り返し発生するメカニズムを明らかにする。分析は2国・動学的一般均衡モデルに基づき、両国はその技術水準においてのみ異なる。各国の技術水準はそれぞれ、(a)国内の技術開発(イノベーション)および(b)対外直接投資を通じた外国技術の流入(スピルオーバー)によって、内生的に上昇する。主要な結果は次の通り:外国技術の流入が十分効率的なら、均衡経路上でリープフロッギングが繰り返し発生し、技術リーダー国が時間を通じて恒久的に入れ替わる可能性がある。