3月の経済研究所セミナー

要旨:
釧路公立大学の入試戦略は本学同様に歩留まりの問題をクリアして、いかに目標数に近い学生数を入学させるかにある。秋山報告は統計データを用いて入学者数を予測する、同大学独自のユニークな試みを紹介するものであった。パラメータ別の推定結果を見ると、高校別手続率、併願、現浪、順位(中期入試のみ)は優位に正という結果を得たが、それは過去に手続率の高かった高校、学内他学部併願者、浪人は手続しやすいことを意味し、我々の直観にも合致する常識的な結果と思われる。しかしセンター試験の自己採点が低いものが手続しにくい傾向を示すという、前期入試では順位が手続率に正の有意性を持つとした分析結果については、興味深い半面で一層の説得力のあるインプリケーションが望まれるのではと考える。東京をふくむ他大学からの参加者を交え、活発な議論がなされた。
(経済学部教授 近藤健児)