Discussion Paper No.1207

Title:介護予防給付の導入が要支援者の要介護状態の変化に与える影響
Authors:湯田道生、鈴木亘、両角良子、岩本康志

Abstract: 本稿では,2003 年4 月から2009 年3 月における福井県下全17 市町の介護保険給付費レセ プトデータの個票パネルデータを用いて,2005 年度の介護保険制度改革で導入された介護 予防給付が,要支援者のその後の要介護状態にどのような影響を与えたのかを検証した。介 護予防給付の導入前後において,初回の要介護認定時に(旧)要支援・要支援1 の認定を受 けた人々の経時的な要介護度の推移を比較したところ,予防給付グループの要支援者割合 は,常に介護給付グループのそれを上回っている様子が確認された。また,計量経済分析の 結果からは,様々な定式化のもとで,介護予防通所介護サービスを利用している個人の要介 護度は,そうでない個人に比べて,要支援にとどまる確率が有意に高く,また,要支援2・要介 護1・要介護2 に悪化する確率がそれぞれ有意に低いことが確認された。 キーワード 介護予防給付,介護保険給付費レセプトデータ,傾向スコアマッチング JEL Classification Number: I18