Discussion Paper No.1205

Title:2005年愛知県内4地域間産業連関表の推計
Authors:山田光男・大脇佑一

Abstract:

市町村など、より小地域を対象とした産業連関表の作成と応用の研究への関心が高まっている。ここでは、愛知県をひとつの事例として、県経済を名古屋市、尾張地方、西三河地方、東三河地方の4つに区分した県内地域間産業連関表を作成した。このような産業連関表を作成するためには市町村間の部門別交易に関する情報が必要となるが、必ずしも十分な一次統計が得られないことが多い。ここではグラビティ・モデルの情報を活用したRAS推計によって4地域間交易の推計を行った。作成した産業連関表は2005年愛知県内4地域間186部門産業連関表である。これを4地域間40部門表に集計し、それぞれの地域の産業構造や相互依存関係の特徴について検討した。愛知県では、西三河地方が全国や周辺地域から部品調達を行いながら自動車産業の生産、輸出を通じて愛知県の製造業をリードし、名古屋市は都市機能に関わる産業を通じてそれをサポートする構造を読み取ることができる。