教員紹介

認知モデリング研究室

問題解決の認知過程

情報工学科 小笠原 秀美

自己紹介

 小さいころパニックについてのテレビ番組を見て人間の行動に興味を持った.また中学高校のころアマチュア無線のクラブに所属していたが,周囲の友人の影響で計算機にも興味を持ち,電卓で遊び,マイコンに憧れた.(その時手に入れた計算機が YHP 社製逆ポーランド電卓だったため,それ以来「=」キーの無い電卓を愛用している.)  大学ではその二つの興味が両立できる,計算機を用いて人間行動を研究する数理行動学の先生に学んだ.卒論では物とそれが持つ性質のデータから物を分類するシステムを作成した.これは人間がどのように「概念」を獲得するのか,ということを考えるため基礎研究のつもりだった.指導教員が提案したテーマの中にビデオゲーム「パックマン」で遊ぶ人間の計算機モデルというものもあったが,当時の私の力では困難だったために選択しなかった.  その後,クラスタリング(物を分類すること)を研究するために米国に滞在していた時Soarという名前の認知行動研究のためのシステムに出会った.Soarは認知アーキテクチャ,つまり人が行う情報処理過程を記述するために開発されているプログラミング言語である.この時,過去にあきらめた「パックマン」プレーヤを取り上げ,人がどのようにプレーするのか,うまくなるのかについての実験的研究や人間と同じようにプレーするSoarシステムの開発を始めた.

ゼミ紹介

 ゼミのメインテーマは問題(特に動的な問題)を解いている人の認知過程の解明である.手法としては心理実験によるデータの収集と解析,Soarによるモデル化(つまり人と同じように振る舞うシステムの作成)を使う.これまでに対象とした課題には,動的なものとして「パックマン」などのビデオゲーム,静的なものとして雑誌「ニコリ」に出てくるようなパズルがある.計算機の中の仮想的な環境の中で動くエージェントを題材とすることもある.最近の卒論のタイトルは以下の通りである.
・実験用ビデオゲームの開発およびその評価
・動的環境下における人の熟達化の分析
 3年次には基本的な文献講読と卒論研究の基礎となる実験やシステム構築を行う.この間に各自の卒論のテーマを決定し,4年次にはそれを発展させて卒論研究を行う.時間割上,ゼミに割り当てられている時間は二コマだが,その時間は進捗状況や問題点の報告と討論に使うので,それ以外の時間に自主的に研究を進めることが求められる.また実験の実施,解析,シミュレーションの準備などどの段階では道具としての計算機利用が必須であり,時と場合に応じて計算機や言語を使い分ける必要がある.その習得は学部の授業を基礎として各自が独自に行っている.このように各所で自ら学び,自ら考えることがことが求められるゼミである.

担当科目

コンピュータネットワーク,知的推論基礎論,知的推論システム

略歴
  • 1961年 東京都生まれ
  • 1985年 北海道大学文学部卒業
  • 1987年 北海道大学大学院文学研究科修士課程修了
  • 1988年 中京大学文学部心理学科助手
  • 1990年 同情報科学部助手