教員紹介

音について学ぶ

不正配信から守る技術~電子透かし~

情報工学科 村田 晴美

自己紹介

 私は、現在音楽電子透かしに関する研究を行なっています。幼い頃からピアノを習っていたこともあり、音というものに興味があったので、音に関する研究をしようと思い、現在の研究を始めました。ただ演奏するだけではわからなかった音に関する知識を研究を通して得ることができ、単純に興味があるというだけではなく面白いと感じるようになりました。今後も、音に関する研究を進めていき、知識を深めていきたいと思います。

研究テーマ

音声・画像・動画像などのデジタルコンテンツの流通が増加するに伴って、インターネット上でこれらデジタルコンテンツの不正配信が問題となっています。この問題を解決するために電子透かしという技術が注目されています。電子透かしとは、デジタルコンテンツそのものに著作権情報などのデジタル情報を人に知覚されないように埋め込む技術のことで、埋め込んだ情報のことを透かしと呼びます。音楽電子透かしに求められる要件として以下の2つが挙げられます。

  • 1.透かしを埋め込むことにより、音楽データの音質が劣化してはいけない。
  • 2.攻撃(信号処理などにより波形を変形させる行為・MP3圧縮など)を受けた場合であっても透かしが正しく抽出できる。従来の手法では、この1.の要件を満たすために、知覚されにくい領域に埋め込んでいました。しかし、知覚されにくいように埋め込むことには限界があるため、「知覚された場合であっても音楽データとして違和感がないように埋め込む」ことにより音質を維持する手法を考えています。その例として、音楽信号から音高推定により単音を抽出し、抽出した単音がどの楽器で演奏されているかを音源同定により特定します。特定された楽器と類似した音色をもつサンプリング音を透かし信号として音楽信号に埋め込むことにより、知覚された場合であっても違和感のない音質が得られます。 この他にも、音に関する研究であれば積極的に進めていきたいと思っています。
学生へのメッセージ

 私は、学部生のときにはあまり深く考えずに講義を受けていたと思います。ですが、それでは全く自分の実力として身についていないと感じました。研究室に配属されてから、物事を論理的に考えるということが求められ、考えることにより初めて知識として自分の中に蓄積されていったと実感しました。みなさんも、物事の本質を理解するために、「なぜ?」という感情を常に持ち、「なるほど!」と解決できるような思考力を学生生活の中で身につけて欲しいと思います。

略歴
  • 2008年 大阪府立大学工学部知能情報工学科中退
         (飛び級による大学院進学)
  • 2009年 大阪府立大学大学院工学研究科博士前期課程
         電気・情報系専攻知能情報工学分野短縮修了
  • 2012年 同大学院博士後期課程修了 博士(工学)
  • 2012年 同大学院客員研究員
  • 2013年 中京大学工学部情報工学科助教