教員紹介

量子効果デバイス研究室

量子効果を利用した超高速応答デバイスに関する研究

電気電子工学科 田口 博久

ゼミ紹介

 半導体ってみなさんご存じですか?自分は,言葉として「半導体」を知って,もう何十年です.でも,「半導体って何?」と言う質問に満足行く回答ができるようになったのは,半導体の研究者となって10年ほど必要でした.単純化モデルで説明しようとするとどうしても理論的側面に弱点が生まれ曖昧になり,数論的に表現しようとすると個人の趣味のように難解になりすぎ,いずれにせよ自己満足が先に立ちます.バランスよく両者を混ぜて,その時々状況に合わせて必要な知識をドーピングするように説明出来るように,説明する側は常に勉強あるのみです.
 勉強に終わりはありません.テクノロジーの進化はまるで生物の進化と同様で,気が付くと時代遅れ.自分も半導体の研究を開始した学生時代は,SiC単結晶合成手法の研究だったはずが,気が付いたら極微細FET試作でナノテクノロジーにどっぷり浸かり,企業エンジニア時代は化合物畑でマイクロ波工学をOJTで叩き込まれ高周波発信素子を無限に試作し続けました.大学に戻って扱う周波数が10E+9Hzから10E+11GHzに切り替わり,研究対象は発信素子からアドバンスな化合物FETへ.さらには量子状態解明の理論にまで手を付けて,今ではワイドギャップ半導体の物性解析なんてのもやっています.もはやスタート地点の単結晶育成なんて,戻りたくても戻れない遠い青春時代の思い出です.今考えているのはその次の材料,その次の技術,その次の理論です.常に,次が知りたい.
 そんなこんなで当ゼミ研究は固体素子,特に情報通信に寄与するキーデバイスの研究開発を目的とします.化合物半導体を用いたナノスケールデバイス内部における電子の動作理論は,如何に電子が理性的に動作しているにも関わらず,まだまだ解釈され尽くされていないのです.では解明して行きましょう.不可視の電子を人為操作し全く新しいデバイスを探しに行きましょう.テクノロジーは無限にその形を変えて進化してゆくものです.電子と人間との関わりが変化するにつれて.それはまるで生き物のように.その生物の進化は現在進行形であり,このテクノロジーの巨大な曲がり角の中で進化過程に関与したいと考える皆さん, 当ゼミ研究へ是非ともご参加下さい.  FETに代表される固体素子の基本構造,動作原理,設計原理,回路応用手法,それらを理解するための基本的物理学などをゼミ形式で学び,化合物半導体が作る多彩な可能性を探索して行きましょう.

担当科目

1年次秋学期必修「複素数とベクトル解析」
2年次春学期必修「電磁気学1・実習」
2年次秋学期必修「電気電子工学実験2」(主担当教員)
3年次春学期選択「物性基礎」、「半導体・半導体デバイス」
3年次秋学期選択「電子材料学」
その他:ゼミ及び卒業研究

略歴
  • [学位]:博士(工学)2007年授与(東京理科大学)
  • [前職]:東京理科大学 助教(2007年~2011年)
  • [現職]:中京大学 准教授 (2011年~現在)