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学術講演会

日付 2016年11月11日(火)
講演者 元防衛省防衛研究所長、元内閣官房副長官補
柳澤 協二氏
タイトル 「安保法制と日本の安全保障―戦争・平和・人間の観点から」
場所 中京大学名古屋キャンパス9号館923教室

 法学部では、11月11日(金)午後1時10分から名古屋キャンパス9号館923教室にて、元防衛庁防衛研究所長・元内閣官房副長官補の柳澤協二氏を講師に招き、「安保法制と日本の安全保障―戦争・平和・人間の観点から」と題する学術講演会を開催した。講演会には、主催者の予想を上回る約150名の学生・教員などが参加し、柳澤氏の講演に熱心に聞き入った。
 柳澤氏はまず、安保法制の本質を日米一体化と武器使用拡大とされた上で、同法制の施行により巻き込まれる危険と武装勢力との撃ち合いが現実化したことを懸念された。すなわち、前者に関しては、日米一体化=抑止とはならないことをミサイル防衛や核問題をもとに、また後者に関しては武器使用により自衛隊員の刑事責任を含めたリスクが高まることを1発の弾も打たなかったイラク派遣の教訓をもとに説明された。その上で、国家像(何を・どう守るか=どういう国でありたいか)を考えることやテロ問題に対する日本の貢献は自衛隊派遣のみではなく政治による平和の実現が重要であることを、国家が戦争をする理由や国民が戦争に行く理由をもとに提起された。そして最後に、国民が「自分がやらないことを他人にやらせていいのか」という問題意識を持ちつつ、自衛隊に何を負託するかを決定すべきであると結論付けられた。
 柳澤氏による元防衛官僚としてのご経験を踏まえた講演は、「安倍首相の『米艦を守れば日米一体化、抑止力向上、巻き込まれることは絶対にない』という発言に反証があることが分かった」「戦争とは人格を変えてまで考える必要のある究極の自己否定であるにも関わらず、他人事ととらえてしまっている社会に問題があることに気づかされたよい機会であった」といった学生の感想に象徴されるように、参加者にとって非常に有意義なものであった。

(法学部教授 古川浩司)