ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

ページ
95/198

このページは 中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号 の電子ブックに掲載されている95ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

2 自由回答の分類と全体の概要自由回答欄には多種多様な意見が寄せられた。本稿ではそれを次の8 つの項目に分類した。【8 つの分類項目】①生活拠点②(食)生活③家計④子育て⑤人間関係⑥情報⑦賠償・補償⑧健康このように8 つの項目に分類した論拠を提示しておきたい。原発事故後、福島県中通り9 市町村の2008 年度出生児とその母親にどのような生活環境の変化が生じているのかという本稿の問題関心から、項目①から⑦までの分類を行った。項目別の具体的な特徴については各論で述べることにして、ここでは分類の論拠を示す。生活環境は住居をめぐる意識と選択に大きく依存している。生活空間が放射能に曝されることを回避するために避難・移住、保養、除染というリスク対処行動が検討され、実行されている。そこで、生活拠点(分類①)に関する意見を一つのまとまりとして分類した。また、子育て中の親にとって重要な生活上の課題はおおむね、食生活(分類②)、家計(分類③)、子育て(分類④)、人間関係(分類⑤)に大別される。食生活(分類②)に関しては、他県産の食材や水の購入に関する意見が大半である。家計(分類③)や子育て(分類④)とも直接関連する論点であるが、内部被ばくを回避しようとする対処行動が顕著に見られるその特徴に鑑み、食生活を独立の項目として分類した。加えて、洗濯物の外干し1,200 Fukushima Mothers Speak(成元哲・牛島佳代・松谷満) 93( 93 )