ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

1 問題の所在本稿の目的は、2011 年3 月の福島原発事故後、福島県中通り9 市町村の2008 年度出生児とその母親(保護者)1 を対象にした質問紙調査の自由回答欄に記入されている内容を分類し、その特徴を考察することにある。東日本大震災と福島原発事故により放射能被ばくが広範囲に及び、集団汚染被害が発生し、長期的な健康影響の可能性が出てきた。これにより、福島県中通り9 市町村の子どもと母親を取り巻く生活環境はどう変化し、この変化に対して、母子はどのような心理的反応を示しているのか。また、放射能汚染に対していかなるリスク対処行動をとっているのか。さらに、これにより、母子の生活の質はどう変化し、健康影響が生じているのか。これらの点に着目して、「福島子ども健康プロジェクト」が2013 年1 月~5 月に実施した「福島原発事故後の親子の生活と健康に関する調査」の質問紙の自由回答欄に書き込まれた母親の声を読み解き、その内容を考察する。まず、自由回答欄に記入した母親の年齢、居住地域の回答数と回答率を1,200 Fukushima Mothers Speakアンケート調査の自由回答にみる福島県中通りの親子の生活と健康成元哲牛島佳代松谷満中京大学現代社会学部紀要8-1 (2014) 91( 91 )