ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

その生活の質に反映する大きな問題である」(ラツカ2004 : 10)という。「パーソナル・アシスタンス」とは、他の人に仕事を頼むことにより障害を補?することです。頼む仕事は自分でできないことや、得意でないことです。人に頼むことにより、自分がうまくできることを専門的にやる時間とエネルギーをつくれるのです。「パーソナル」という言葉は、アシスタンスが個人のニードに従って行われるべきことを意味しています。「パーソナル」という言葉はまた、どの仕事を頼むか、だれに、いつ、どのようにやってもらうかについてユーザーが決定することを意味しています。(ノーマライゼーションの現在シンポ実行委員会1992 : 106)上記のように、介助内容の決定権は、障害当事者にあるということをラツカは主張した。また、ラツカは、介助の担い手が施設に仕事やケアに関連する教育経験を受けていないほうが、障害当事者にとっては自分自身にあった介助内容を指示しやすくなることを指摘し(ラツカ1991=1997 : 59)、そのうえで訓練を受けるべき対象は、介助の担い手ではなく、介助内容の指示を出す障害当事者自身、サービス利用者であるべきだと主張した(ラツカ1991=1997 : 60)。ラツカの所属するSTIL(Stockholm Independent Living:ストックホルム自立生活協同組合)のメンバーは、アシスタンス利用者のみで構成し、理事会のメンバーはすべてパーソナル・アシスタンス利用者となっている。STIL は、パーソナル・アシスタンス利用会員が雇用者として機能するよう、雇用者としての訓練と支援を提供し、介助者であるパーソナル・アシスタントの質を向上させることが目的とされた。特に、良い雇用主になることにより良い介助関係が構築できることを指摘し、そのためには、パーソナル・アシスタントの利用と同時に、利用者同士のピア・サポート日本における重度障害者の生活支援とパーソナル・アシスタンス(伊藤) 7( 7 )