ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

表8 2項目を削除した場合のresampling の結果と尺度の信頼性するのが合理的であろうvi。加えて,表4 で最適解の近傍にそれに近い極大解がほとんど存在しないことも(この33 項目を所与とする限り)この解を採用したくなる理由である。そこで改めて表7 を検討してみよう。4 因子解の第1 因子は存在率と安定性には問題ないものの的中率が0.95 とやや低い。この原因は,表6 からわかるように,resampling においてちょうど100 回ずつ第1 因子と第2因子に負荷する,項目5 にある。この項目は,一読すると他者の感情への感染しやすさを示しているようにも思えるが,他者の感情を迷惑なものと感じる「他者の感情の無理解」を反映しているともとれる。つまりあいまいな項目である。これと,主に第2 因子に負荷するものの,その負荷量が著しく低い項目33 の2 つの項目を削除し,改めて4 因子解を求めた結果の要約が表8 である。おおよそ満足すべき存在率と安定性を示している。表8 には,全サンプルによる解にもとづく,単純和による尺度のα 係数も示した。安定した存在である第4 因子から作られた尺度のα 係数が,項目数の少なさもあってやや低いが,個人のアセスメントでなく変数間の関連にもとづく研究のための最低限の基準はクリアーしていると見なせよう。とりあえず,研究の第1 段階としては,これら4 つの尺度を構成しえたことで,PCCA の効用を確認できたとしてよいであろう。7.討論と今後の問題本研究では,1 次合成変量への回帰を重回帰から単回帰に切り替えるという単純なアイディアによって,完全単純構造を実現するための新しい方完全単純構造・主クラスター成分分析・resampling による確認(村上) 83( 83 )