ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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概要

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

たかを項目ごとに集計したものである。なお,resampling の分析でも当然極大の問題は発生するから,1 つのresampling ごとに100 回の反復を行い,最大値に対応する解を選択している。図7 を見る限り,q=6 では真の最大値に到達できない危険性もなくはないが,ほぼ安全な反復数であると考えられる。こうして得られた,各200 のresampling の結果は,次の3 つの基準で評価することができる。(1)全サンプルによるクラスターが,resampling において出現する比率。(2)Resampling によるクラスターに属する項目数の安定度。(3)項目ごとの全サンプルによるクラスターへの的中率このうち,(1)はクラスター自体の存否の判断に,(2)はクラスターの安定性に,(3)は個別項目の安定性にそれぞれ対応すると考えられる。このようにresampling によるクラスタリングの評価は,通常の定められたモデルのパラメータ推定の精度以上の意味をもつとも考えられる。表7 は,q= 2 ~ 6 の解の各因子について,上記の(1)と(2)を評価するためにresampling の結果を要約して示したものである。解の中にそれぞれの因子(クラスター)が存在した割合を,存在率として,また,それぞれの因子に負荷する項目数については,平均値,標準偏差,最大値,最小値を,さらに,当該の因子に全サンプルの解で負荷した項目について,resampling の解でも負荷した(当該のクラスターに所属した)的中率を最後の列に示した。なお,的中率については,解全体について算出したものと,因子ごとに算出したものの両方を示している。これによると,まず,2 因子解では,2 つの因子は常に存在しており,負荷する項目数の揺らぎも小さく,的中率も0.97 を超えており,samplingの揺さぶりに対して非常に安定した解が得られていることがわかる。それに対し,5 因子以上の解では,的中率の低い因子が現れ,さらにそうした因子では,負荷する項目数の揺らぎも大きいことから,安定した解は得ら完全単純構造・主クラスター成分分析・resampling による確認(村上) 81( 81 )