ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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概要

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

本研究では,bootstrap 法として知られているresampling の方法を用いることにする。Bootstrap 法(たとえば,Efron & Tibshirani, 1993)とは,実際に得られている大きさn の標本から,同じ大きさの標本を多数抽出(resampling)し,それらの標本に同じアルゴリズムを適用して,変動を検討する方法である。存在する標本と同じ大きさの標本を,その標本自体から抽出するということは一見不可能とも思われるが,復元抽出を行うことでそうした「マジック」が可能になるv。本研究では,n=1645 の標本から,resampling による標本を200 個取り出して,2~6 の各主成分数について,PCCA のアルゴリズムを適用し,それぞれ200 のクラスターを得た。表6 は,q=4 の場合について,全サンプルによる最適解と,200 回のresampling による結果を示したものである。さらに,変数ごとに正しいクラスターに配属された比率(的中率)も示した。ただし,resampling の結果については,必ずしも全サンプルによる結果と同じ順序でクラスターが出現するとは限らず,さらには,独自の内容のクラスターの出現や,(その結果としての)2 つのクラスターの融合といったことも起こりうる。したがって,各resampling の解析結果ごとに,個々のクラスターを全サンプルの(正)解のクラスターと対応づける必要がある。ここでは,それを次のような手順で行った。まず,あるresampling であらわれたクラスターの番号をi,全サンプルによるクラスターの番号をj とする。個々の項目は,それぞれ特定のiとj に対応付けられるから,これらをクロス集計した頻度をf ij とする。これらの頻度のj ごとの総和をとし,クラスターごとに,fij/f.j を求め,この値が最大になるクラスターj にクラスターi を対応付ける。この結果,同一のクラスターj に複数のクラスターi が関係づけられることが起こりうる一方,resampling では出現しなかったクラスターもありうることになる。表6 の’resampling’の部分は,このようにして得られたクラスターがどの(全サンプルによる)クラスターと関連付けられ完全単純構造・主クラスター成分分析・resampling による確認(村上) 79( 79 )