ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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概要

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

回帰という強い制約条件を課したPCCA の解の説明力が常に対応する主成分解のそれを下回るのは当然である。図中には,主成分解の説明力を分母とし,対応するPCCA のを分子として計算された効率(efficiency)をパーセントの形で示している。3 因子以上において,その値は約93%でほぼ一定となっている。この値を十分に大きいと見るか,小さいと見るかには議論の余地がありうるが,それについては7 節で再度論じることにしよう。次に,5 因子解の負荷行列と因子間相関行列を表2 に示した(表1 と比較可能になる4 因子解は,6 節の表6 に示す)。因子負荷行列の空白部分はすべて0 である。完全単純構造の効果は大きい。さらに,R 2 は各行の非ゼロの負荷量の2 乗である。加えて,4 節で述べたようにPCCA の場合,列ごとの2 乗和は対応する因子の説明力と一致する(「因子寄与」と表現している)。この総和は,R 2 の総和と一致し,その値はこの5 因子解のの値である12.08 である。なお,負荷量の符号は,ここではプログラムのデフォルトとして,因子ごとに符号が正のものが増える方向(具体的には,負荷量の3 乗の和が正になる向き)に決められており,必ずしも共感性が高くなる方向にはなっていない。実際,因子3 と因子5 は,得点が低いほど共感性が高くなる。このことは,因子間相関の符号から読み取ることができる。因子間相関は,(直接比較はできないにせよ,)表1 の主成分分析・プロマックス回転の解よりも,全体として高い値が多くなっている。どちらも,(標準化された)項目反応の結果を示しているから,その違いの理由ははっきりしない。ただ,一般に(使用頻度の高い)斜交回転の方法には,パターン行列の要素が1 を超えるのを防ぐために,因子間相関を低くする機能が備わっているように思える。次に,異なる因子数の解がどのように相互に違っているかをおおよそ見るために,非ゼロ要素の位置と符号だけを示す表を作成した(表3)。これで見ると,因子数が増加するにつれて直前の因子数の因子のどれかが2完全単純構造・主クラスター成分分析・resampling による確認(村上) 71( 71 )