ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

この2 つは,どちらも(意味は違うが)階層性をもつ1 因子の相関行列である(Guttman, 1954)にもかかわらず,対照的な結果となるのが面白い。5.数値例この方法の数値例のために,どのような実データを選択するかは重要である。多くの刊行されている尺度は,すでに(少なくとも)探索的因子分析の手続きを経て構造は確定に近い場合が多い。この方法の性質からして,分析例としては,ある程度未完成な尺度が望まれる。ここで選んだのは,すでに表1 に負荷行列等を例示したMehrabian &Epstein(1972)による感情的共感性尺度(emotional empathy scale)の日本語版(中村,2000)である。この尺度は社会心理学の実験のための個体差要因を作り出すために開発されており,わずか100 名弱の大学生のデータしか(少なくとも論文公刊時点では)とられておらず,33 個の項目は1 因子として扱われている。中村(2000)では,前述のような4 因子として分析されているが,その段階でも。特に項目の加除等は行われていないから,ほとんど予備調査段階の項目がそのまま公表されている状態と言える。このことは,研究の最も初期の状況で使われることを想定しているここで提案した方法の適用例として適切である。項目の反応段階は9 であり。データは,1990 年から1991 年にかけて,前述のように,1645 名の大学生に実施して得られたものである。まず,全項目間相関行列の固有値を,降順に序数に対してプロットしたスクリー・プロットを図5 に示した。固有値の値は降順に,5.51,3.04,1.79,1.50,1.21,1.07,1.05,1.02,0.99 となっており,1 を超える固有値は8 個存在するものの,その減衰状況をスクリー・プロットで読み取る限り,7 以上の因子(クラスター)を検討することは無意味であろう。そこで,3 節のアルゴリズムにもとづき,1 因子から6 因子までの解をもとめ,最適化基準を求めた。その結果は,5.51,8.13,9.64,11.01,12.08,13.07完全単純構造・主クラスター成分分析・resampling による確認(村上) 69( 69 )