ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

2.介助関係における理念としてのパーソナル・アシスタンス-専門家主導から当事者主体へ--1 障害当事者主体による介助サービス日本における自立生活の理念の導入・普及は、1981 年の日米自立生活セミナーなどにより本格化するが、アメリカのバークレー自立生活センターで研修を受けた国井や土屋ら日本の障害当事者研修生以外でパーソナル・アシスタンスについて言及した立場に、北野がいる(国井1983)(土屋1983)(北野1989)。北野は、障害者が主体となり、障害者から支払いを受ける介助者をアテンダント(attendant)としてその介助関係に言及し、「ここでアテンダント(有料介護人)と表現されている介護者は、その費用の出所を問わず、また費用の多少を問わず、介護を必要とする障害者が個人的に契約して介護を受けている介護者のことである(いわゆる有償ボランティアを含む)」(北野1989 : 169)と定義している。その後、「アテンダントとは、≪『自立生活センター』や各種の情報センターなどを通じて、利用者が公的な手当などを使って、個人として契約する介助者≫をいう」と定義し、「アテンダントとは、障害者本人が選んで契約した介助者であり、障害者が基本的に介助関係を管理することが予定されている」とし、障害者に介助を受ける権利性を位置づけさせるための個人契約、支払いを含む介助関係を障害当事者自身が管理することによる介助関係の主体の転換についてより鮮明に定義づけをし直している(北野1993 : 64)。同時に、北野は、障害当事者の自立と自己実現を支援するため、その支援関係における相互関係の創造を重視する。アテンダントに「介護をし、彼らのプライベイトな世界にはいりこみ、しかもなお、お互いに自由で対等な関係を想像してゆかなければならない」「重度の障害者との関係においては、この介護というものが関係性のなかに介在することがひとつのポイント」(北野1988 : 23)であるという。加えて、介助システムのあり方日本における重度障害者の生活支援とパーソナル・アシスタンス(伊藤) 5( 5 )