ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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概要

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

図4 2つの項目の反転によって3つのクラスターの数が2つに減ることの説明。しかしながら,この単純なクラスター分析の適用と,ここで提案した方法の結果には大きな違いが生じる可能性がある。それは,通常のLikert型の項目の加算にあたっては反応を逆転する必要がある場合が生じるからである。たとえば,表1 の最初の2 つの項目,「友人が動揺しているからといって,自分も動揺するようなことはない」と「まわりに落ち込んでいる人がいると,自分も平静のままではいられない」は,ともに「感情の伝染」という次元に関連しているが,方向は逆であり,この2 つの項目の間には高い逆相関がある。式(16)を単純に用いれば,この2 つの項目は別のクラスターに含まれることになる。図4 に示すように,こうしたクラスター分析からは,余分な次元が生じてしまうことになり,不適切な解釈が行われる可能性も高い。項目の意味にもとづいて,項目反応をあらかじめ逆転しておくという措置も考えられるが,その手順は誤りが発生しやすく,かつ,現実には5 節で見るように,逆転すべきかどうかの判断が難しいケースも少なくない。ここで提案した方法は,クラスターの最大固有値の和を用いることによ64( 64 )