ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

負荷行列の各行の非ゼロ要素が最大1 個であるならば,完全単純構造(perfect simple structure)という(Bernaard & Jennrich, 2003)。上のA は完全単純構造となっている。なお, でなくても,斜交回転によって完全単純構造に近づけることができる場合もあろう。その際,因子間相関係数は0 にならないが,多くの適用例において,項目全体は何らかの単一の構成概念に対応しており,因子はその複数の下位概念に対応すると解される場合が多いから,このことはむしろ好ましいこととも考えられる。なお,4 節で述べるように,項目の一部は逆転項目である場合も多いが,ここではすべての逆転項目の反応は反転され,項目間の相関係数はすべて正であるものとしている。こうした状況が実現していれば,項目をq 個のクラスターに分類し,それらの単純加算によるq 次元の尺度を構成することができる。また,(2)によって(実データでは近似的に(1)によって),それぞれの尺度の信頼性を評価することもできる。しかしながら,もちろんこれは理論の側から見た理想状態にすぎない。実データの分析では,いろいろと判断しなければならない問題が生じてくることになる。50( 50 )