ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

供という点で利点がある。ただし、現行の日本における労働法規上の制約により、パーソナル・アシスタントに労働基準法が適用されず、契約や事務処理についての支援は札幌市内の自立生活センターがサポートセンターとして担っているものの、緊急時のバックアップ体制や安上がり福祉の批判を払拭しきれていないという指摘もあり(中根2011)、課題が残されている。制度施策としてのさらなる検討や、総合福祉部会での提案を踏まえると、障害当事者もしくは支援組織が介助者を選び、教育する責任と消費者保護・権利擁護との関係を論ずる立場(長澤2009)(田中2010)の論考の整理も今後、必要となろう。本研究は、2011 年度中京大学特定研究助成「高齢重度障害者のケアの質の向上をめざした地域包括支援に関する研究」(研究代表者伊藤葉子)の助成をうけて実施した。<注>注1 本稿では、障害者主体の生活に提供される直接的ケアを「介助」とするが、引用文中に「介護」とある場合や文脈の中で「介護」という表現が適切な場合は、「介護」を使用する。注2 1986 年設立時には、バークレイ自立生活センター、自立生活センターパラコッド、ボストン自立生活センターを訪問。その後、2000 年前にオーストラリア、ヒューストン自立生活センター、スウェーデンSTIL、オーストラリア、フィンランド、カナダ、ドイツなどを訪問している。注3 本制度は、2008 年に検討会が立ち上がり、同年8 月より札幌市の重度身体障害者の実態調査が実施され、翌2009 年よりモデル事業が実施されることとなった。その過程には、障害当事者組織、研究者および札幌市との継続した学習会があってのことだという。2011 年3 月1 日から4 日に筆者が実施した「札幌市パーソナル・アシスタンス制度訪問調査」の聞き取りによる。注4 本作業チームでは「ダイレクトペイメントについては、安価な賃金で雇用したヘルパーにより長時間介護を実現すればよいという方向に誘導す16( 16 )