ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

・「子供達のためにも脱原発を早期に願っています。」エ寄付金の使途に対する疑問寄付金の使途に対する疑問を呈する意見があった。・「募金されたお金は何に使われているのか、まったくわからない。目に見えて実感できない。」オ特徴行政・東電とも、原発事故後の対応に対する不満が多く向けられている(ア、イ)。この不満は、〈原発事故のために生活のあらゆる面で不自由を強いられているのに、原状回復や補填がままならない状況を受けての不満〉であって、被害者にストレス・不安・不信感を生じさせる。また、原発の廃炉を望む意見が見られた(ウ)。原発の是非は政策的な問題であり、一見すると生活環境や不安等とは関係がないようにも思える。しかし、今回のアンケートに記述された原発の是非に関する意見は、原発事故後の行政や東電の対応を自ら体験し、その問題意識を踏まえて指摘されたものである。すなわち、原発事故の影響は、事故後の行政・東電の対応次第で大きくなったり小さくなったりする。上記の意見は、〈行政・東電の対応が「原発を廃炉にすべき」と指摘しなければならないほどに「悪い」=原発事故による影響があまりにも大きい〉ということを意味している。10 健康10.1 子ども原発事故との因果関係は不明であるが、甲状腺のしこり(のう胞)、鼻血、被ばく、運動・体力不足、肥満、不眠、強度の不安を示す状態、ぜんそく、のどの痛み、発熱がよく指摘されている。1,200 Fukushima Mothers Speak(成元哲・牛島佳代・松谷満) 163( 163 )