ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

2010 年に設けられた国の総合福祉部会の部会作業チームにおいて、パーソナル・アシスタントは「利用者主導」「個別の関係性」「包括性と継続性」の3 つが大きな要素であり、互いに補完し合っていて不可分であることが議論された。この3 要素が担保されていれば、ダイレクト・ペイメントはパーソナル・アシスタントの必須要件ではないことも議論されている(部会作業チーム(施設体系~訪問系)議事要旨11 月19 日分)(注4)。さらに、同部会の提言では、その対象を重度の肢体不自由者に限定せず、障害種別を問わずに日常生活全般に常時支援を要する障害者を対象とするよう提言し、その対象に障害児も含むものとした。その利用範囲についても、支給量の範囲内であれば、通勤、通学、見守り、入院や1 日を超える外出(例:日付をまたぐ旅行等)、運転介助にも利用できるよう盛り込んだ。他方、札幌市パーソナル・アシスタンス制度の利用者は、制度開始時4名であったが、2014 年3 月1 日時点で、43 名(制度発足当初からの総利用者数は62 名)となり、介助者登録は346 名となっている(伊藤2014.2.7.)。国の政策としても施設入所から地域生活への移行の推進が進められているが、その実現の要は、自宅での介助時間と介助者の確保になる。特に、全身性の重度障害者の場合、24 時間の介助が必要となり、夜間の介助者の確保に困難があり、介助派遣事業所と契約を結べない例がある。札幌市では、障害者総合支援法(制度開始時においては障害者自立支援法)の重度訪問介護の支給決定を受けている重度身体障害者に対し、札幌市が介助に要する費用を障害当事者に直接支給し、その範囲内でライフスタイルに合わせて介助者と直接契約を結び、マネジメントしていく制度として開始された。その介助内容は、重度訪問介護となり、通勤、通所への利用は不可となっているが、入院時にはコミュニケーション支援として介助者の病院への派遣が可能となった。2014 年4 月からは、障害者総合支援法のなかで重度訪問介護の対象が14( 14 )