ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

を危惧している。すなわち、〈「福島出身者」ということで、嫌がらせを受けたり、結婚・就職・進学などの際に理不尽な扱いを受けたりするのではないか〉という不安である。この意見は相当数に上る。他人からどのような扱いを受けるかということは子どもの人格形成にも関係することであり、その不利益を受けるのも子どもであることから、子どもの幸福を願う親としては、子どもの将来の健康不安と同じように、子どもの将来に対して不安を抱くのであろう。②については、賠償の線引きに不公平さを感じ、自分よりも優遇されている人に対する悪感情・蔑視感情を有することが伺える意見がある。このような差別感情を抱いたのは個人であるが、原発事故がなければこのような差別も生じなかったのであるから、原発事故がもたらす被害の一つといえる。8 情報8.1 情報の収集情報の収集に関する意見は、①「情報不信」、②「関心の低下」の2 つに分けられる。ア情報不信情報不信については、流通している情報の矛盾、行政や東電に対する不信等が指摘されている。・「テレビや新聞、ラジオでは、『大丈夫!』という事だったり、『このままではダメだ!』という事だったり、どれを信じていいのか分かりません。しかし、子供達を守るのは私達両親です。本当の事を言ってほしいと常々思います。」・「原発事故の事や放射能の事についていろんな人達が、それぞれいろんな意見を言っているのでいったい誰の言っている事を信じたらいい150( 150 )