ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

な・・・。」ウ特徴全体的に子どもの検査に対する不信と要望が多い。放射能による子どもの健康被害が強く懸念されていることが伺える。検査の要望については「社会保障」でその特徴を述べることとし、ここでは検査不信に関する特徴について述べる。意見の中には、検査自体の信用性を疑うものや、検査結果に対する不安を指摘するものが多数に上る。その理由は、検査主体の説明不足などにより、母親が検査に関する正確な情報を把握できないところにある。これは情報不信の一種といえる。その結果、検査そのものとその結果に対する信頼が揺らいでおり、それが健康被害の不安に結びついている。この不安は、子どもの将来の健康に関する不安であり、しかも子どもが成人し、次世代につなげるまで継続する性質のものであるから、簡単には解消できるものではない。したがって、個々の検査においては十分な説明を行うなどして、上記のような不安を解消するためには長期にわたる継続的な取り組みが必要である。6.3 出産出産に関する意見は、①「妊娠」、②「流産」の2 つに分けられる。ア妊娠福島で妊娠または妊娠中を過ごすことについて不安を感じている。・「私は、現在妊娠しています。原発事故で、妊娠する事をあきらめてしまった友人、知人沢山います。本当に切ない気持ちになります。」・「震災時は、仙台に住んでおり、夫の転勤でH23 年6 月末に福島に戻ってきました。転勤が分かり、引っ越しする直前に妊娠しているこ1,200 Fukushima Mothers Speak(成元哲・牛島佳代・松谷満) 139( 139 )