ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

設けることで重度の知的障害者等にも利用可能な仕組みであると主張する。認知的能力やコミュニケーションの力が弱いとされる利用者を含め、アシスタントがその意思をきちんと支援するという支援つき自律を担保することの必要性に触れ、アメリカ・カリフォルニア州の発達障害者の自立生活支援を例に、リージョナルセンターによる「購入管理」システムの検討を行っている(岡部2010)。岡部は、日本における実現の可能性についても触れ、自立生活センターなどの障害当事者が運営する事業所の再構築を提案する。その理由には、それらの組織に①利用者とアシスタントの直接の雇用関係がある、②利用者の共同性を担保するための機構や組織があることをあげている(岡部2006 : 122)。支援組織として期待される国内の自立生活センターの介助派遣事業には、その発生の源流の違いや細かな仕組みが異なり、「当事者主体の提供機構」は一様でない。特に、居宅介護の委託を受けるようになった2003年の支援費支給制度、さらに2006 年の障害者自立支援法移行(一部には、2000 年の介護保険制度以降)、事業の運営・経営と当事者主体を重視する支援の提供には、新たな課題もうかがえる(鈴木2004)。自立生活センターが抱える現状を整理し、現在の対処状況と今後を探る必要がある。-3 日本におけるパーソナル・アシスタンスの具現化と課題障害当事者主体の介助提供システムとして議論されてきたパーソナル・アシスタンスを、国内において利用可能なものとしたのは、札幌市である。2010 年4 月に本格実施した札幌市の「札幌市パーソナル・アシスタンス制度」は、前年度のモデル事業を経て本格実施された(表参照)(注3)。12( 12 )