ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

・「やっぱり、健康面のサポートはもちろんの事、精神面であったり心の面が一番大事だと思います。心理カウンセリングは保険がきかないので、高額だったりするのでそういう面でももっとサポートが必要だと思います。子供たちの精神面も大事ですが、親が不安定になっていては子供をちゃんと育てあげることが出来なくなってしまうので、もっとそういう面でも不安を解消できる場所がもっと必要である。」・「不安や心配ばかりかかえて、保険(ガン、子供用)を検討したり、庭のくさや土をとったり、頭をかかえています。」・「子どもの放射線の影響について心配で、ガン保険に入れようか考えています。」5.3 家計全体の特徴アンケート対象者は、原発事故への対処するために様々な支出を行っている。例えば、放射能を避けるべく避難・保養した費用、内部被ばくを避けるために購入した食材・水の費用などである。その背景には情報に対する信用不安もある。また、家計負担の増加は放射能への対処行動の結果生じたという因果関係を、アンケート対象者の自由回答から確認できる。そして、家計負担の増加を指摘する意見の多くは、同時に、賠償等による補填を求めている。〈被害の実態に応じた賠償等がなされていないのではないか?〉このような不安が、経済的な負担感を増幅し、行政・東電に対する信用不安をも生じさせている。それに加えて、消費税増税やガン保険の加入等による家計負担の増加も懸念されており、経済的な不安は今後も拡大する可能性がある。1,200 Fukushima Mothers Speak(成元哲・牛島佳代・松谷満) 125( 125 )