ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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概要

中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

・「本当に健康面でだいじょうぶなのかたべものも安全なのかせめて、給食などは県外産を使用し内部ひばくはさけたい。ここで住んでいるのだから・・・これ以上こどもに害になるものはたとえ数値が低くても0(ゼロ)のものだけたべさせたい。」・「いくら基準値以下だとか、不検出だったと結果が出ても、県産の野菜や米を学校給食に出すのはおかしいと思います。放射能に大丈夫という値はあるのでしょうか。ただでさえ、常にどこにいても放射能を浴びているというのに。ここにいる限り、何十年も浴び続けなくてはならないのに。家では遠く離れた県外産の物を選んで食べています。」エ特徴食事による内部被ばくの不安から、可能な限り地元産の食材や水道水を避けようとしている。その結果家計負担が増加している。他県産の食材の安全性をも疑問視する意見もある。また、同じ不安から、学校給食で地元産の食材や水道水が用いられることに対する反発もある。食に関する意見の大半はこれらの意見であり、数としても多い。何らかの事情で地元産の食材や水道水を使わざるを得ない家庭を含め、食による内部被ばくの不安は相当に強く、多い。その一因には情報不信がある。例えば、「“大丈夫”と言われる数値であっても、心から信用できない自分がおり、不安でしかたがありません。」と指摘されている。したがって、食事による内部被ばくの不安には、①放射能の存在、②情報不信という2 つの原因があることになる。食事による内部被ばくの不安を解消するためには、食材や水道水の安全性を確保するだけでなく、その情報を透明性のある方法で流通させる必要がある。これによって不安が解消され、家計負担の圧迫をも解消することができるが、難問であり、未だ解決には至っていない。120( 120 )