ブックタイトル中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

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中京大学現代社会学部紀要2014第8巻第1号

の実施の重要性を指摘する。自分がよい雇用者となり、使う側として上手になればなるほど、受けるサービスの質が良くなり、生活の質が上がるのです。紆余曲折しながら、一生かけて学んでいくのです。介助者とのダイナミックな関係の中から自分の可能性を開拓していくことができます。他のサービス給付法はそういうことはできません。自分の可能性に気づき高めるためのよい方法は、ピアサポートです。同じ経験を経た人たちが問題や課題を分かち合い、解決策を共有していくわけです(ラツカ2004 : 11)。障害当事者こそが専門家であり、生活の主体となるべきで、サービスユーザーは新たな雇用主のトレーナーやアドバイザーとしての役割を果たすことができるという主張である。-3 日本における障害当事者の主張-ヒューマンケア協会-ヒューマンケア協会は、バークレー自立生活センターをはじめとするアメリカ型の自立生活センターをモデルとして、1986 年に日本で最も早く設立された自立生活センターの1 つとして、その後の日本の介助のあり方に大きな影響を与えた。その始まりは、安定的に介助の時間と人を確保することでもあった(伊藤2014)。ヒューマンケア協会の介助サービス運営の理念は、障害者主導、利用者と介助提供者の対等な関係、対象を限定せず、契約制度により、権利性を意識した有料制であった。また、介助の担い手の確保は、市民が参加して支え合う登録ヘルパーによるものを主とし、障害当事者が直接雇用するものではなく、コーディネーターを置き、組織的に運営を図るものであった(中西1996)。アメリカの自立生活センターやスウェーデンのSTIL のように、障害当事者による介助者の直接雇用ではなく、組織的に介助者を確保し、コーディ8( 8 )