学習・研究活動

2012/06/06 [ニュース]

情報科学研究科1年の秋月秀一さんと斎藤正孝さん(橋本学研究室)
情報処理学会の研究会でそれぞれ最優秀賞、優秀賞

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(左から)斎藤 正孝さん、秋月 秀一さん、橋本学教授

 情報科学研究科1年の秋月秀一さんと斎藤正孝さん(橋本学研究室)が、情報処理学会コンピュータビジョンとイメージメディア研究会にて,それぞれ最優秀賞と優秀賞を受賞しました。

 同賞は、画像処理研究において特に優秀な発表をおこなった若手研究者に贈られるものであり、本年度は全国からの発表全30件の中から、最優秀賞1名、優秀賞4名が選ばれました。

 受賞発表名は、秋月さんが「特徴的3-Dベクトルペアマッチングによるバラ積み部品の高速認識」、斎藤さん「濃度共起分析に基づく安定画素を用いた照明変動にロバストな画像照合」。秋月さんと斎藤さんが所属する橋本研究室の橋本学教授の指導を受けて開発した技術は、対象物体の位置や姿勢を高速かつ高信頼に認識する画期的なものです。斬新な発想と,工場の生産ラインなどで実用化できる高い性能を達成できた点が評価されました。

●「最優秀賞を受賞して」 秋月 秀一さん(情報科学専攻1年)
 発表タイトル「特徴的3-Dベクトルペアマッチングによるバラ積み部品の高速認識」
  この技術は,工場での組み立て作業に従事する知能ロボットに不可欠な、対象物を正確に見分ける「眼」に関するものです。人間が部品を見分けるとき、特徴的な模様や形をてがかりにしています。そこで私は、2本のベクトル(ベクトルペア)を部品の特徴的な箇所にあてはめ、これをもとにして対象物の姿勢をわずか0.2秒で認識する方法を提案しました。特徴的かどうかを判定する方法が難しかったのですが、ベクトルペアの発生確率分布を精密に分析して数理的に判定することに成功しました。この成果をロボットの眼に利用すれば、まるで人間のように動作できるようになるはずです。 この研究会は、学部3年生の時に初めて聴講した学会でもありました。将来は自分もここで研究成果を発表するぞ!と志を立ててがんばってきたので、発表できただけでなく、賞までいただくことができて感無量です。今後はもっと努力して、世の中に役立つ技術を開発したいと思っています。

●「優秀賞を受賞して」 斎藤 正孝さん(情報科学専攻1年)
発表タイトル「濃度共起分析に基づく安定画素を用いた照明変動にロバストな画像照合」
  私が開発した技術は、かなり強烈な照明変動があったとしても、IC部品などを安定して認識するための技術です。工場現場では1日あたり約7千枚の画像を撮影して生産の自動化に利用していますが、照明条件に敏感という大きな問題がありました。そこで本研究では、数枚の画像を使って予め明るさの変動を予測し、変動しにくいデータだけを使う方法を提案しました。変動をうまく予測するために画像間共起特徴と呼ばれる情報を利用し、確率理論に基づいたアルゴリズムになっています。その結果、15ミリ秒という超高速と、97.6%というほぼ完璧な信頼性を達成できました。 私も、2年間ずっとこの研究会での発表を目標にしてきました。アルゴリズム設計には苦労しましたが、橋本先生のご指導や研究室の仲間とのディスカッションを踏まえた試行錯誤の結果、ようやく今回の成果が得られました。多くの方々に認めていただけて、たいへん嬉しいです。今後はこの成果を論文にまとめて、国際会議で発表する予定です。

●指導教員の橋本学教授のコメント
 秋月さんや斎藤さんが自らの研究をきわめるべく、日々研究に没頭している真剣味に満ちた姿を見ていましたので、指導教員としても今回の受賞はたいへんよろこばしいです。さらなる飛躍を期待しています。