松坂屋の経営戦略-プライベートブランドと女性の参入-

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発表する「ハイカラモダンガールズ」班メンバー

 

 ハイカラモダンガールズ班では、百貨店として歴史の長い松坂屋がどのような経営戦略をもって独自のブランドを展開し、女性店員を採用したのか研究をしました。ゼミが始まった当初はテーマも定まらない状態で不安でした。当時の商品の集計データが残っておらず研究が思うように行かず、先行研究に対する批判や文献の信憑性を確実にするための裏付け調査でも推測を立てながら地道に調べることも多かったため苦労しましたが、複数の図書館へ何度も資料を探しに行き研究を進めていきました。ほかにも、独自ブランドや女性採用の具体的な事例を挙げるために、当時の新聞記事からプライベートブランド商品の代表格である「呉羽ケープ」などの様子、全国の百貨店で初めて導入された「エレベーターガール」など女性採用に関するメリットなどを調べ、情報収集を行いました。本番までは練習を繰り返し行い、その都度先生の意見を伺うことで発表の綿密さを上げていきました。パワーポイントは、相手が内容のイメージをしやすいように当時の絵や写真を多めに使い、全体の色合いを「松坂屋」や「女性」に絡めて赤やピンクにしました。本番では、レジュメよりも分かりやすい言葉を使うこと意識して発表しました。また、発表者全員で白い服を着て、観客の印象に残るよう工夫しました。

 最初は、「女子っぽい内容がいいね」としかテーマが決まっておらず、ゼミの中で研究が一番遅れていました。6月に松坂屋で「呉羽ケープ」の展示を見て衝撃を受けました。春学期はこの呉羽ケープをメインに松坂屋のプライベートブランド商品を使った経営戦略について調査しました。秋学期からは、テーマを「女性」に変えて研究を進めましたが、ゼミ内の発表では内容が不評でした。構成を考え直し、さらに深く内容を調べて最終的に「PB商品」と「女性」の2本立てにしました。金曜2限はメンバーが全員空き時間だったことを利用し、発表が近づくとほぼ毎週、情報センターで研究内容をまとめました。発表練習後の先生からのアドバイスをもとに、内容を修正していくのは大変でしたが、頑張った結果優勝を飾ることができて嬉しかったです。他の班の発表を参考にして、発表時の話し方やレジュメにある言葉を分かりやすいように工夫したり、パワポをピンク調にしたり、みんなで白い服を着たりとさまざまな工夫を凝らしたところも票獲得に繋がったと思います。

(文学部歴史文化学科2年 長谷川七星)

 今回踏査基礎演習で私たちは「松坂屋の経営戦略~プライベートブランドと女性の参入~」を発表しました。

 テーマを決める際に、女性だけのグループということを活かしたかったため、ファッションと関係したものにしようと考えました。呉服店の変遷を調べればその時代の状況や、流行がわかるのではないか、と考え、呉服店に焦点をあてることにしました。「江戸時代から名古屋にある老舗のお店」ということから、松坂屋について調べることにしました。

 松坂屋のファッションに関する本は沢山あるわけではなく、先行研究や当時の新聞などからも情報を集めました。イメージフラワーがなぜカトレヤなのかを直接松坂屋に聞いたりなど、文献だけではない調査ができました。

 最終的な発表ではファッション関係の話題は呉羽ケープだけになってしまいましたが、PB商品の導入する時期など松坂屋の経営戦略に関することに触れることによって当時の状況や人々の考えを知ることができたので良かったのではないかと思います。

 秋学期からは女性の参入についても調査しました。当時の新聞には職業婦人の進出についての記事がよく出てきたので、女性の参入は重要な出来事と言えるはずだと考えました。

 女性の参入ではエレベーターガールの例が個人的に一番わかりやすいと感じました。「百貨店が人を吸えば吸うほどエレベーターの仕事は忙しくなりますが、人の立て込んだ時など、満員です、と断っても男のそれとはあたりがやわらかなのでお客様に感じがよい」と新聞記事に載っており、女性ならではの柔らかさ、人あたりの良さが評価されています。今ではエレベーターガールが主流だが、昔はエレベーターボーイという職業がエレベーターガールよりも先にいたそうです。それがガールに変わったということは、商品の良し悪しだけでなく、店員の接客態度も重要視されるようになったということがこの女性の活躍から見て取れるのではないでしょうか。

 発表をする際にも私たちの班は様々な工夫を試みました。まず発表を聞いてくれる人たちが興味を持ってくれるようにとパワーポイントに画像を多く載せたり、背景を薄ピンクにしたりなど女性らしさも取り入れました。

 テーマが「松坂屋の経営戦略~プライベートブランドと女性の参入~」なので、私たちも他の班よりも印象に残るよう、全員同じ色の服で統一感のある格好をするという戦略で、発表に臨みました。

 班員それぞれが意見を出し合いながら、遊び心も取り入れた発表を作り上げることができたのではないかと思います。中元先生にも沢山アドバイスや相談にのっていただき、感謝しています。

(文学部歴史文化学科2年 中東里菜子)

 1年を通して、踏査基礎演習で松坂屋という1つのテーマについて調査しました。他の発表を聞く機会があったので、自分たちの発表と比較でき、参考になる箇所が多くありました。学生同士で意見を出し合い、より良い発表を目指して取り組んだ経験は次年度以降のゼミに向けてとても良い練習になりました。

(文学部歴史文化学科2年 中林恵理)

2016/03/03

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