総合政策学部市島プロジェクト研究が新しい選挙啓発案を企画
愛知県選挙管理委員会に高校生に向けた出前トークや啓発など

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企画案を発表する井口さん 総括を聞く市島ゼミ生

 

 私たち総合政策学部市島プロジェクト研究は、2015年5月に愛知県選挙管理委員会から、選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられることに伴った「18歳に向けた新たな選挙啓発」を考えて欲しいという依頼をいただきました。そこで私たちはまず、今の18歳(主に高校生)に向けた選挙啓発は何が行われているのかについて調べました。その結果、「選挙出前トーク(学校の授業の中で模擬投票を行う等)」のみであることがわかりました。

 また、選挙出前トークは小学校から高校までを対象としているにもかかわらず、授業のパターン不足などから、高校ではあまり行われていないという問題点を発見しました。そこで、この問題点に着目する選挙出前トークと、18歳を取り込めるような新たな啓発の、2つのグループに分かれ企画案を考え、8月に愛知県選挙管理委員会に報告しました。

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 「選挙出前トーク」企画案では、従来の授業より生徒自身が能動的に参加できるようにした「フォトランゲージを使用した企画案」や未来の有権者としての考えを明確化させるための「ブレインストーミングを使用した企画案」、18歳選挙権というキーワードを使用し、実社会との接点を作ることを目的とした「バズセッションを使用した企画案」、政党や政策の中身を知ることを主眼に置いた「投票のワナを使用した企画案」、シルバーデモクラシーを生徒に実感させることをポイントにした「選挙における世代間格差を伝える企画案」の計5案を提案しました。この中で、「投票のワナを使用した企画案」は豊田市内の小学校で、「選挙における世代間格差を伝える企画案」は豊橋市内の高校で実施されることが決定しています。

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 18歳を取り込む新たな啓発案では、現在、愛知県が開設しているSNS(Facebook,Twitter)に注目しました。その中で、閲覧者の年齢層が高いこと、投稿の内容が若者向けではないこと、投票日の発信のみでは不十分であることなどの問題点を発見しました。そこで、①Twitter・Facebook 連動型選挙出前トーク、 ②We Have Opinions、 ③ Café de Voteの3つの啓発案を提案しました。①では、高校での選挙出前トーク時に愛知県選挙管理委員会のアカウントをフォローしてもらい、②で自らのアカウントによる写真の投稿を行ってもらいます。最後に③で、高校生が政治に関する意見を共有できる場の提供を行うという流れになっています。報告後、「認知より関心を高めないといけないという着目点は正しい」、「去年の報告案と合わせて実行すると面白そう」などのコメントをいただきました。

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 今回、私は「選挙出前トーク」企画案を主に考えました。どんなことをすれば従来の授業内容を変化させられるのか、生徒はどのような反応をするのかなどを考えながら、いかに授業時間50分に収めるかという壁に幾度となく阻まれました。報告後、「さまざまな視点から多彩な企画案を報告して下さいました。今後、これらの企画案と従来のものを組み合わせて選挙出前トークを進めていきたい」というお言葉をいただき、達成感と将来世代の役に立てるかもしれないという喜びを感じることができました。

 最後に、市島プロジェクト研究では毎年度、愛知県選挙管理委員会との官学連携をさせていただいております。私にとって、今年は昨年度に引き続き2回目の報告会でした。この経験を糧に、今後も研究に励みたいと思います。

(総合政策学部 市島プロジェクト研究3年 井口小夏)

2016/01/12

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