文学部の学生有志が集う4研究会
合同発表会で創作劇や研究成果など披露
「文学部研究会合同発表会」が11月28日、名古屋キャンパスで例年通り開催されました。
中京大学文学部には、学生有志が集う研究会という組織があり、それぞれが興味のある分野の学びを深めています。現在、上代・中古・近代の各時代の文学を学ぶ研究会、広告・演劇など言語表現に関する研究会、古文書・中世・民俗学・近現代史など歴史や文化を学ぶ研究会があります。
本年度の合同発表会では、4つの研究会が発表を行いました。
午前の部では舞台教室(0304教室)にて演劇研究会の公演が行われました。高校生の悩みや友情をテーマとしたオリジナルの創作劇「言えなかったこと」を上演しました。
午後からは0603教室を舞台に研究発表が行われました。前半ははじめにウェブサービス「dグルメ」の宣伝広告の制作に取り組んだ広告研究会の発表、次に上代文学研究会の、「万葉集」の中の「大伴坂上郎女の問答表現」について、その表現技法の特殊性に着目した発表がありました。休憩をはさみ、後半には筒井康隆の「ダンシング・ヴァニティ」の語りやメタ構造の分析を通し、〈ゲーム的文学性〉という新たな文学の可能性の検討、また安部公房の「他人の顔」を解読し、「都市のなかの孤独」を乗り越えるために現代都市空間に生きる私たちが他者とどのように向かい合っていけるのだろうか考察した近代文学研究会の二つの発表が行われました。
午前の部と午後の部を合わせると、会場には学部生、文学部教員や院生、卒業生など70人を超す来場者が集まりました。各発表終了後には活発な質疑応答が繰り広げられ、発表者、参加者ともに新たな発見を得ることができました。
合同発表会の企画・運営は、毎年各研究会代表を中心に行い、準備は全ての研究会会員が一丸となって、普段は他の研究会の活動に触れることのない会員同士が、力を合わせて発表会を作り上げています。研究成果を発表した発表者や会場にいて知識を共有した参加者だけでなく、準備や運営に関わった会員も合同発表会を通して多くのことを学べたと思います。今年の文学部研究会合同発表会もとても有意義な学びの場となりました。
(文学部研究会総合代表・言語表現学科3年 菅沼卓能)