経営学部中村雅章ゼミが木桶の米びつを企画
木桶の栗田より「おけのこめびつ 藤と梅」の2種類を商品化、発売

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商品開発した「おけのこめびつ」
左が「藤」、右が「梅」

 2015年9月25日から3日間、栄のオアシス21で開催された尾張名古屋の職人展で、木桶職人の栗田実さんと私たち経営学部中村ゼミが共同開発した2種類の米びつ、「おけのこめびつ 藤と梅」が発売になりました。

 私たちは、2014年の12月から、愛知県津島市に工房を構える「木桶の栗田」の栗田さんと新商品の開発を進めてきました。私たちが当初持っていた木桶のイメージは、"お爺ちゃん、お婆ちゃんの家にあるもので特別な時にだけ使うもの"でした。現代の生活で使われる場面が少なくなった木桶を、再び生活に溶け込んだものにできないか、物が溢れている現代だからこそ、便利さや低価格ばかりを追求するのではなく、本物の木の良さを届けることに価値があるのではないかと考えました。根気強く商品提案を続け、約300個の提案・検討の中から日本人の生活に欠かせない米びつに辿り着きました。

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商品説明のpop ※クリックで大きくなります

 新商品が米びつに決まってからは、デザイン面や機能面を検討していきました。従来の木桶にはない斬新な発想にこだわり、私たちと同世代の若者にも興味を持ってもらうことを目指しました。しかし、あまりに斬新なアイデアは、何十年も木桶と向き合ってきた栗田さんから見ると、実現の可能性や市場性などの点で疑問符がつき、なかなか私たちの提案は通りません。それでも、自分たちが「こんな商品は面白い!」と思うものは再度内容を見直して提案を重ね、最終的には異なる木の種類を用いたストライプのデザインや、米の残量が分かるように取り付けた小窓のデザインを採用してもらいました。何度も提案をする過程で、ただの直感だけではなく、なぜこれがいいのかという根拠を示すことで説得力が増すことを実感しました。

 米びつの印象を決める商品名については、たくさん考えた名前の中にしっくりくるものが見つからず、栗田さんと意見を交わしながらその場で新たなアイデアを出し合いました。それぞれの思いやイメージを共有していくことで、少しずつ名前の方向性が見え始め、生まれた名前が「おけのこめびつ 藤と梅」です。天然素材で安心安全の優しいイメージをひらがなにすることで表現し、栗田さんの推奨するシンプルなデザインのものを工房のある津島市の花にちなんで「藤」、私たち学生が提案したストライプのデザインを中京大学の校章の花にちなんで「梅」と名付けました。

 こうして迎えた職人展当日は、無事にこの日を迎えられた安心感と、自信を持ってお薦めできる商品を完成させることができた喜びで、自然と気持ちが高まりました。会場は様々なジャンルの職人さんが集まり、活気のある雰囲気で、私たちもハッピをまとって接客しました。「木桶の栗田」のブースから香る木の香りで沢山のお客様が足を止めてくださいました。

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「木桶の栗田」栗田さん

 職人展に来場するお客様は、こだわりを持った本物志向の方が多く、木桶の素材や作り方など専門的な質問がありました。このプロジェクトを始める前は、木桶についてほとんど知識がありませんでしたが、何度も打ち合わせを重ねる中で栗田さんから木桶について様々なお話を伺っていたので、すんなり答えることができて自分でも驚きました。徐々に接客にも慣れ、お客様と会話をする中で生活様式やこだわりを把握し、そのお客様にとっての米びつの価値を伝えることができるようになっていきました。

 3日間の職人展を終え、これまでに8件の予約をいただくことができました。その場での購入に至らなくても、米びつに魅力を感じてくれるお客様の反応を沢山見ることができて幸せでした。

 今回のコラボ商品は、NHK総合テレビの「ほっとイブニング」や津島商工会議所発行の「津島だより」などでも取り上げられ、商品開発以外にも貴重な経験をさせていただきました。限られた放送時間や紙面の枠で私たちの活動や商品の魅力を十分に伝える難しさを感じましたが、メディアの反響は大きく、ものすごい影響力があることを学びました。

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開発メンバー
住田ひとみ、花井ひさの、西岡良女(副リーダー)、櫻井杏季、宮武真子
永崎祐介、桑原健太(リーダー)、小久保孝之、岩井優治

 

 活動についてのリンクです。ご覧ください。
NHK総合テレビ「ほっとイブニング」に出演しました
木桶の栗田Facebook
中村ゼミ活動日記

(経営学部中村ゼミ3年 西岡良女)

2015/10/06

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