スポーツ科学部生24人が海外スポーツマネジメント事例研究
米国のスポーツ文化に触れスポーツの可能性さぐる

 3月4日から13日まで、私は10日間の「海外スポーツマネジメント事例研究」に参加しました。研修地はスポーツが文化として根付いているアメリカです。カリフォルニア州ロサンゼルスとアリゾナ州フェニックスでスポーツ施設見学や試合観戦を通して、スポーツの可能性を肌で体感しました。

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 私は学外でバイクレースに参加しています。バイクレースも含めたモータースポーツは、迫力満点なのは勿論、老若男女問わずに同じ舞台が与えられる素敵なスポーツです。しかし、日本ではホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキという世界的な4大メーカーを有しているにも関わらず、欧米と比較して普及率がとても低いのが現状です。私はバイクレースがもっと認知されるようになってほしいと考えています。今回は、それを日本で普及させるためのヒントを発見するという目標を持ちつつ10日間を過ごし、多くの事を得ることが出来ました。

 アメリカにおけるスポーツのスケールには目を見張るものがありました。滞在中にNCAA(全米大学体育協会)、MLB(メジャーリーグベースボール)、NHL(ナショナルホッケーリーグ)、NBA(ナショナルバスケットボールアソシエーション)の試合観戦をする機会がありました。その全てが初めて観戦するものでしたが、とても楽しむことができ、そして魅了されました。特にUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とUSC(南カリフォルニア大学)という同じロサンゼルスにあるライバル校のバスケットボールの試合は、自分たちと同じ大学生のスポーツの舞台とは思えない程の規模の大きさで、ビジネスとして成り立っていることに驚きました。バイクレースと比較すると圧倒的に観客数が違います。
今回観戦したNHLのホーム側チームであるフェニックス・コヨーテズは、チケットを購入してもらう為に、企業はもちろん、グッズを購入した個人のお客様にもセールス担当の方が電話をかけて営業をしているとのことでした。一見派手に見えるイベントもそのような地道な努力の上で成立しているのだと気付かされました。私が感じたのと同じように、初めて観るスポーツには誰もが新鮮な面白さを感じると思います。その感覚を得てもらうきっかけを作ることが観客数を増やしていく為には必要不可欠なものであると感じました。

 アリゾナ州フェニックスにあるアリゾナ・ダイヤモンドバックスのホーム球場であるチェイス・フィールドを見学した際には、スタジアムの観客席に様々な工夫を見つけました。外野席には団体向けのプール席があり、試合観戦をしながらバースデーパーティーを開いたりするそうです。また、このスタジアムにある5つのレストランでは食事をしながら試合観戦が出来ます。ダッグアウトの真横にもグループ席があり、試合中の選手を間近で見るという面白い楽しみ方も出来ます。このように多種多様な付加価値を付け、様々な種類の観客席を用意することで、観客側は試合の楽しみ方を増やせ、また運営側はより多くの席を販売することができます。双方にとって良い工夫が施されていて素晴らしいと思いました。バイクレースにおいても、開催される鈴鹿サーキット等はとても広い競技場なので、このような工夫をすることで観客が快適に楽しめるようになるだろうと思いました。

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 そして、私に最も大きな影響を与えてくれたのは同行して下さったサポートスタッフの皆さんです。研修の中でスタッフの方の講話を聴く機会がありました。皆さんの経歴、現在、そして夢のお話は、心を動かされる素晴らしいものでした。その中でも特に心に響いたお話をして下さったのはケビン・ジャクソンさんです。彼はXリーグ(日本のアメフトリーグ)のオービックシーガルズの選手です。様々な縁があって日本でアスリートとして活躍しているのですが、彼の今後の夢は「Xリーグを人気&有名にすること」だそうです。私の「バイクレースを日本で普及させること」という夢にとても似ていたのです。他の競技でも同じような夢を掲げて頑張っている人がいると知って勇気が出ました。

 アメリカのスポーツ文化に触れられたことで様々な事柄に対する見方が変わりました。やはり英語力は大切であると感じましたし、スポーツマネジメントについてより深く学びたいと思い、図書館でそれについての本を借りて読むようにもなりました。さらに、研修に参加したことで新しい仲間という大きな財産を手に入れることも出来ました。これからはこの貴重な体験を活かして、自分の夢を叶えられるよう努力していきます。

(スポーツ科学部 競技スポーツ科学科2年 渥美 心)

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2015/05/08

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