教育実習を体験して
「一人の人間として向き合う教師の役割と責任」

 9月29日から10月10日までの2週間、名古屋市立宮前小学校で教育実習をしました。たった2週間という短い期間でしたが、この実習は私の世界観を大きく変え、また私に教師の尊さを教えてくれるものでした。

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 私が実習で特に学んだことは児童との向き合い方でした。授業づくりでは、先生がおっしゃった「誰のための授業であるのかということを考えてほしい」という言葉が印象に残りました。私は今まで、いかに変わったことをやり、楽しい授業にするのかということばかりを考えていました。しかし、それは私の自己満足に過ぎないということに気づかされたのです。児童が意欲を持って授業に参加できるような工夫をすることも大切ですが、授業で何より大切なのは確実に学力を身に付けさせることであると痛感しました。

 また、小学校では教科指導に加えて生活指導も重要な要素です。特に「叱ることができるようになること」は私の課題でした。今までの私は、児童に嫌われることを恐れ、“叱ること”ができなかったからです。実習中にも、何度か児童に叱るべき場面に直面しました。しかし初めのうちは、ただ感情的になって“怒ったり”、逆に何も言えなかったりすることが多かったのです。そんな私を変えたのは、「人間として許せないことをしているのを見たら感情的になるのは当たり前。冷静な部分だけ持っていても、児童には伝わらないよ」という指導担当の先生の言葉でした。相手の成長を思って叱れば、たとえ強く叱っても、児童に伝わるということを知ったのです。まだまだ未熟ではありましたが、実習中に児童と向き合い、叱ることができたことは大きな収穫でした。自分の描いていた教師生活とはかけ離れたところもありましたが、それ以上に教師の魅力を感じることのできた2週間でした。 

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 学校とは子どもが多くの時間を過ごす場所で、教師とは子どもの最も身近な大人です。学校でどのような時間を過ごすのか、教師がどのように接するのかということは、子どもの人格形成に大きな影響を与えると思います。だからこそ、教師の役割と責任は大きいのだと思います。

 残りの学生生活は、できるだけ多くのことに挑戦して、自分の人間力を高めていきたいと思っています。そして、来年の4月からも、「子どものために」という気持ちを忘れず頑張っていきたいと思います。

(国際英語学部英米文化学科4年 櫻井 菜摘)

2014/11/25

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