キャンパスベンチャーグランプリ中部で総合政策部2チームが特別賞
中部地区の24校・201件がビジネスプランを競い合う

キャンパスベンチャーグランプリ中部の表彰式

 

 中部地区の学生がビジネスプランを競う「第11回キャンパスベンチャーグランプリ中部」の表彰式が1月30日に名古屋市内のホテルで開かれ、本学総合政策部の2組が「特別賞 中部経済連合会会長賞」と「特別賞 中部経済産業局長賞」を受賞した。今回は24校・201件の応募の中から9件が表彰された。

 鳥山素弘審査委員長(産業技術総合研究所中部センター所長)は「ススマートフォンのアプリや国際交流など、社会の流れに敏感な若者らしい提案が多く、完成度も高い」と講評した。

 なお、会長賞を受賞した「JAPAN LOVERS~伝統工芸事業所と訪日外国人のマッチングサイト~」を提案したチームは、全国8地区大会を勝ち抜いてきた学生15チームが集結する「第10回キャンパスベンチャーグランプリ全国大会」(3月6日、東京)に出場し、文部科学大臣賞や経済産業大臣賞などを目指してビジネスプランを競い合う。

 

■特別賞 中部経済連合会会長賞 全国大会出場決定
 プラン名:「JAPAN LOVERS~伝統工芸事業所と訪日外国人のマッチングサイト~」
 メンバー:3年 牧絵梨香、志治幸奈、廣田桃子 4年 高木晴奈

 私たちは、伝統工芸事業所と訪日外国人のマッチングサイトを提案しました。このサイトは、訪日外国人がサイト上で伝統工芸の体験予約・通訳士手配・交通手段の検索ができるものです。

 現在、社会問題である伝統工芸産業市場の衰退化に着目しました。この問題に歯止めをかけるべく着目したのが政府の取り組みです。政府はビジットジャパン戦略により、訪日外国人(以下、外国人)の増加を狙い、クールジャパン戦略で増加した外国人を伝統工芸産業に促し、活性化に繋げようと政策立案をしています。そこで、現状を調査すべく、外国人64名、伝統工芸事業所50か所に独自アンケートを行いました。その結果、伝統工芸に興味のある外国人は72%もおり、外国人に訪れてほしい事業所は68%もいました。

 以上のことから、外国人が事業所を訪問しやすい仕組みを創出することで、伝統工芸産業市場の衰退化に歯止めをかけることができるのではないかと思い、このプランを提案しました。

 プランを提案するにあたり苦労した点は、伝統工芸事業所を統括している機関がない点です。そのため、全国の伝統工芸事業所に本プランの認知をさせることが難しいということがわかりました。そこで、私たちは愛知県庁に電話調査を行い、現在の日本の伝統工芸事業所の把握状況について伺いました。その結果、各都道府県の自治体が伝統工芸事業所を把握しているということがわかったため、自治体に本プランの認知を行ってもらえないかと考えました。そこで、全国の自治体に電話調査をし、本プランの認知が可能であるかを調査した結果、42都道府県から可能であるという回答を頂きました。

 このように、自ら調査を行ったことで、実現性を高めることができました。審査会では、「訪日外国人増加に着目したことがとてもよい」「プランの実現性が高く、更に今後広く事業展開していけるのでは」と評価していただきました。

 このビジネスコンペティションを通し、自ら課題に対する解決策を探り、実行に移すということが身につきました。この経験をここで終わらせるのではなく、次に繋げたいと思います。

(総合政策学部3年 牧 絵梨香)


■特別賞 中部経済局長賞
 プラン名:「Function & Stationery Happiness」
 メンバー:3年 酒井桃子、石崎智之 2年 島崎保之香、倉品茉由

 私たちは、中小文房具メーカーに特化した、外国人向け文房具専用販売サイトを提案しました。このプランのミッションを、「海外には新たな文房具を、中小企業には新たな顧客を!」と掲げました。

 私たちはまず、日本の文房具にはどの国にも負けない機能性を持っており、さらに海外でも注目されているというアイディア文房具に着目しました。

 しかし、日本には多数の誇れる文房具があるが、外国で販売されているアイディア文房具はごくわずかです。それがもったいないと考え、ここにビジネスチャンスを感じました。

 本プランの最大の強みは中小企業に特化した点です。大企業が海外進出している中で、中小企業は海外進出には多額の資金がかかるなどといった理由で、海外進出したくてもできていないという現状がありました。しかし、アイディア文房具には中小企業がより力を入れているため、本プランで中小企業に特化することで、さらに多くのアイディア文房具を外国人に提供することができます。また、中小企業にも新たな顧客と販路の確保することができます。このような優位性から、競合であるAmazon.comとの差別化を図りました。

 実際に本プランにニーズがあるのか、セントレアや名古屋駅周辺で外国人にアンケート調査を行い、73%の外国人から利用したいという回答を得ることができました。また、中小文房具メーカーからも、58%の企業から参加したいという回答を得ることができました。

 このプランを完成していくにあたり、現状分析をするための中小文房具メーカーへの電話調査や、実現可能性を探るために外国人への言葉の壁がある中のアンケート調査などを行いました。このような様々な課題がある中で、諦めずに4人で協力し、頑張ってきたことが評価につながったのだと思います。この貴重な経験を忘れずに、これからも様々なことに挑戦していきたいです。

(総合政策学部2年 酒井 桃子)

 

2014/02/14

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