櫻本泰憲さん(情報科学研究科修士1年)が精密工学会サマーセミナーで優秀発表賞
「周辺類似物との識別に有効な画素群を用いた物体検出」

櫻本泰憲さん

 大学院情報科学研究科修士課程1年の櫻本泰憲さん(橋本研究室)が、8月20日に山梨県笛吹市で開催された「精密工学会サマーセミナー2013」で優秀発表賞を獲得し、表彰カップと表彰状を授与されました。

 同賞は、画像処理技術に関する研究において特に優秀な研究発表をおこなった若手研究者に贈られるものであり、今年度は日本全国から発表された27件の研究の中から、十数名の専門家による厳正な審査を経て、3名が選ばれました。

 受賞発表名は、「周辺類似物との識別に有効な画素群を用いた物体検出」。櫻本さんが所属する研究室の橋本学教授の指導のもとで開発した技術は、画像処理による対象物の認識において、認識対象物と周辺類似物の関係を数学的にモデル化することにより高信頼かつ高速化を実現するものです。認識成功率98.5%という極めて高い性能と、工場の生産ラインをはじめとする幅広い応用が期待できる点が評価されました。実用性が高いことから、この技術をベースに、大手企業との共同研究も始まっています。

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●「優秀発表賞を受賞して」 櫻本 泰憲さん(情報科学研究科1年)
 提案した技術の開発には苦労しましたが、橋本先生のご指導や研究室の先輩や同輩との連日にわたるディスカッションや試行錯誤の結果、ようやく予想通りの性能が得られました。この成果を認めていただき、たいへん嬉しく思っています。今秋には、この成果を英語論文にまとめて国際会議で発表する予定であり、さらにがんばっていきたいと思います。

●指導教員の橋本学教授のコメント
 研究室としては、今回で3年連続の受賞となり、たいへん驚いています.この技術は、テンプレートマッチングという40年くらい前から取り組まれているものですが、最新の確率理論と最適化技法を組み合わせることによって、まったく新しい技術に生まれ変わりました。受賞した櫻本君は、修士学生らしい粘り強さを生かして毎日遅くまで実験したり,休日や夏休み返上で研究に没頭していましたので、結果としてすばらしい賞をいただけたことで、努力が報われたのではないかとうれしく思っています。

2013/09/06

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