情報科学研究科の斎藤正孝さんが電子情報通信学会東海支部「学生研究奨励賞」
過酷な状況下でも安定して画像認識する画像センシング技術で受賞

斎藤正孝さん

 大学院情報科学研究科修士課程2年の斎藤正孝さん(橋本研究室、指導教員:橋本学教授)が、6月11日に電子情報通信学会東海支部学生研究奨励賞(修士)を受賞しました。

 同賞は、最先端の情報通信技術に関する研究において特に優秀な成果をあげ、その将来が嘱望される若手研究者に贈られるものであり、今年度は電子情報通信学会東海支部所属の学生員の中から、専門家による厳正な審査を経て4人が選ばれました。


●ロボットシステムのための画像センシング技術の新手法を提案

 私が開発した技術は、高度生産システムやロボットシステムのための画像センシング技術であり、ドラスティックな照明変動下でも、電子部品などを安定して認識するための技術です。過去の変動傾向から明るさの変動を予測し、変動しにくいデータだけを使用する新手法を提案しました。変動を予測するために時空間共起特徴と呼ばれる情報を利用し、確率理論に基づいたアルゴリズムを構築しました。その結果、15ミリ秒という高速性と、97.6%という信頼性を達成しました。自分の研究成果が大学や企業の専門家に認められたことは非常に嬉しいです。この経験を就職後のエンジニアとしての業務に生かし、モノ作り現場で活躍していきたいと思っています。今後はさらに研鑽を積み、論文投稿や国際会議等の大きな舞台での発表を目指したいと思います。


●指導教員の橋本学教授のコメント

 今回の受賞は、当該学生が修士研究として実施している内容に対するものです。実用化の観点からはまだまだ完成度が十分高いとはいえませんが、基本アイデアの素直さと地道な改良の連続によって得られた研究としての信頼性が評価されたものと思います。院生らしく研究に没頭している様子を垣間見ていましたので、指導教員として、本人の努力が報われたことに加えて、本学大学院における研究レベルの向上に寄与できたことについても、たいへんうれしく思っています。

2013/06/20

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