経営学部中村ゼミが学生カフェ「こるく」を期間限定で開店
情報や思い出を共有する「こるくボードの掲示板」のような場所に

学生カフェ「こるく」

 私たち経営学部中村ゼミは、経営学の実践学習の一環として2013年2月に大須商店街で期間限定のカフェをオープンしました。店舗運営の企画から実際の仕入れ、調理、接客、管理まですべてゼミ生でこなし、合計9日間の営業で218名のお客様に来店していただきました。平均客単価は436円でした。店名は「学生おしゃべりカフェ“こるく”」です。高校生、大学生、および同世代の若者を対象に、「学生による学生のための交流カフェ」をコンセプトとして、イベントや接客を通じてお客様同士の交流を促し、情報や思い出を共有する「こるくボードの掲示板」のような場所づくりを目指しました。

学生カフェ「こるく」

 来店していただいたお客様には、最初にネームカードを作成していただくことで会話のきっかけをつくり、他のお客様と交流できるように相席のテーブルに案内します。私たち学生スタッフは初めて会う人同士を積極的に結びつけるように話しかけ、写真撮影もしました。ネームカードは退席する際に回収し、店内の壁のこるくボードに貼り付けていくことで、お店のコンセプトをより分かりやすく表現すると同時に、再来店を促します。私たちスタッフも、こるくボードが次第に埋まっていく様子を見て楽しさや達成感を感じました。

 学生カフェの企画は、昨年末に大須商店街のカフェのオーナーから、期間限定でテナントを貸していただけるという話から始まりました。このような機会をいただき、最初に強く感じたのは、成功させようという心構えと責任感でした。開店までの準備期間が約1ヵ月と短かったため、何が可能で、何が不可能かをしっかり見極めることから考えました。オープン直前は本当に形になるのか、商売になるのか不安もありました。しかし、オープンしてからは助け合いや支え合いの毎日で、ゼミ生一人ひとりが自らやることを見つけて動き、チームワークとお互いを気遣うことの大切さを学びました。営業後にはその日の収支の計算、アンケートの集計、店内の清掃、反省会を行い、夜遅くになることもしばしばありました。

 学生のための交流カフェというコンセプトに行き着くまで、私たちは随分と悩みました。大須商店街という場所柄、おいしい料理店や素敵なカフェが立ち並んでいます。集客するには差別化する特徴が必要でした。最終的に私たちはカフェの一部を様々な特技を持った学生達の活動の場として提供することで、それ自体をお店の強みとして集客につなげました。似顔絵制作、マジック、アカペラ、バンド演奏などのイベントが開催された営業日には、明らかに多くのお客様に来店してもらえました。実際にお客様にうかがったところ、「イベントが面白そうだった」「また来店したい」などの声が聞けました。イベンターの学生達もお客様として交流してもらうことで、専門的な学びのあるカフェともなっていきました。

学生カフェ「こるく」

 今回の反省点としては、宣伝、料理、イベントなどの担当チーム間の連絡、調整がうまくいかないことがあったことと、想定外の出来事への対応が不十分であったこと、各チームの意見を生かすために全体を指揮するリーダーシップの不足と意思決定の遅れなどです。現実にカフェを営業する以上、準備期間の短さや経験不足などは言い訳にできません。

 しかし、来店時に記入してもらったアンケートは好意的な意見が多くあり、勇気づけられました。確かに、店舗立地が不利であったり、簡単な料理しか出せなかったりしましたが、学生という立場を弱みではなく強みとして生かせば経営はできることを学びました。今回、お客様にサービスを提供するということを肌で感じることができ、大変貴重な経験となりました。ご来店いただいたお客様、イベンターとして関わってもらった学生の皆さんを始め、お世話になった方々、本当にありがとうございました。今回の経験やつながりをこれからの学習活動に生かしていこうと思います。

(経営学部中村ゼミ3年 各務太士、富樫香央理、馬場遼介)

※「おしゃべりカフェ”こるく”」Facebookページもご覧ください。
http://www.facebook.com/OshabericafeCork

2013/05/08

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