体育学研究科応用スポーツ科学系の大学院生が中心となって企画、運営
日本バイオメカニクス学会主催企画 「バイオメカニクス研究法への招待 in 中京大学」

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 2012年12月15日(土)、16日(日)の2日間、「バイオメカニクス研究法への招待」という企画が中京大学豊田キャンパスで開催された。慶応義塾、東海、立命館、関西学院、大阪教育大など9大学から17名の参加者があった。大学2年生から博士課程まで、しかも体育・スポーツ系ばかりではなく理学療法や画像解析など、幅広い年齢と分野の学生が、1泊2日でスポーツ科学分野のさまざまな実験や測定を体験した。

 本企画は、からだやスポーツ動作への興味をさらに深め、バイオメカニクス研究法の一端に触れることを目的とし、日本バイオメカニクス学会の主催により行われた。過去には主として東京都北区の国立スポーツ科学センターで開催されてきた。中京大学がこの企画の担当となるのは今回が初めてのことであった。体育学研究科応用スポーツ科学系の大学院生が中心となり、企画内容やスケジュールをゼロから練って準備した。

 当日は応用スポーツ科学系およびスポーツ生理学系の大学院生がナビゲータを務めた。内容は、(1)高速度ビデオカメラによるサッカーのキック動作の撮影と2次元動作解析、(2)赤外線モーションキャプチャシステムとフォースプレートによる野球バッティング動作の3次元動作解析、(3)3次元人体計測装置(ボディラインスキャナ)による体型・形態の測定、(4)自転車エルゴメータを用いた漸増負荷法による最大酸素摂取量および無酸素性作業閾値の測定、(5)等速性筋力測定装置による脚伸展および屈曲筋力の測定であった。大学院生がそれぞれのパートの責任者となり、参加者への指導や説明・実験補助・デモンストレーションなどを行った。

 私の担当は3次元人体計測装置(ボディラインスキャナ)であった。ボディラインスキャナによる形態計測では、撮影した人体の3次元形状データから各部分の長さや太さを計測できる。また、3次元の形状データファイルを元に、人体形状を多方向から観察して体型の変化を視覚的にとらえることも可能である。参加者には実際に自分の形態計測体験を行ってもらった。これまで蓄積されてきたトップ競技者の形態測定データと客観的に比べることができ、今後の研究やトレーニングへの参考になったのではないかと思う。しかしながら私の知識不足から、一歩踏み込んだ研究への活用方法や意義などを十分に説明することが出来ず、今後さらなる精進が必要だと感じた。

 週末であり、スクールバスの運休、あるいは学内食堂やコンビニの営業時間など、交通や食事の面で不便な点があった。そのため、仕出し弁当を頼み、学内宿泊施設(青雲館)に全員が泊り、補助の大学院生も含めてなかば1泊2日の合宿生活を過ごした。参加者の感想を聞いたところ、満足度は極めて高かった。特に測定補助者を含め様々な参加者が、それぞれの大学や研究について情報と意見を交換することができて良かったとの意見が多かった。私自身にとっても、色々な視点に立って物事を考える良い機会になり、このことが一番の成果ではないかと思った。

 この企画をしてくださった日本バイオメカニクス学会に感謝するとともに、ここで築いた繋がりを将来に繋げていけたらと思っている。 

 (体育学研究科修士課程1年・高橋 豊樹)

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2013/01/25

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