学生有志の研究会「文学部研究会」の合同発表会
文学部教員や大学院生、卒業生、学生など70人が参加

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総代表開会の挨拶

 中京大学文学部には研究会という組織があり、学生の有志が興味のある研究会に所属している。研究会は全九つ。上代・中古・中世・近世・近代の文学を扱う研究会と、演劇・日本語・広告といった言語や表現について学ぶ研究会、教職課程を履修している学生が所属する国語教育に関する研究会など、活動内容は様々である。自分が選んだテーマについて発表し、それについて意見交換を行う研究会もあれば、顧問の先生が講義形式で進めていく研究会もある。

 そうして様々な方法で学んできた成果を発表する「文学部研究会合同発表会」が11月17日、名古屋キャンパスで開催された。 本年度は、6つの研究会から8人が「噺本にみる僧の肉食」「大学生の言葉の今」などの研究発表を行った。昨年度より二年生の発表者が増え、発表者の学年にも幅が出てきた。当日は不運にも雨であったが、会場には研究会会員だけでなく、文学部教員や大学院生、卒業生や学生など70人を超す来場者が集まり、それぞれの研究発表を熱心に聞いていた。さらには同月21日に演劇研究会が合同発表会として初の演劇公演「おとぎ話の魔法」を行うなど、新しい試みも見られた。
  昨年度の発表を参考にして、時間の余裕を持ち午前からの開催としたが、終日会場で発表を傍聴している人が多く見られた。発表会は10時30分に開場してから17時40分に閉会するまでの、7時間を超える長丁場であったが、発表が最後に近づくにつれて、会場の雰囲気も盛り上がっていくようであった。発表後、先生方や卒業生の方々から「聴いていて本当に楽しかった」「OBで現役教員が教え子の高校生も参加させたことで、会場の人が昨年より増えた」という声を頂くことができた。運営方法には課題が残るが、発表者も、自分の卒業研究に生かしたり、今後の研究会活動の糧にしたりと、目的は様々であるが、それぞれに収穫があったようである。
  合同発表会の企画・運営は各研究会の代表を中心に行い、準備は研究会会員が一丸となって行った。普段、我々研究会員は自分たちの研究活動以外の研究に触れることがない。その中で、別の研究会員同士が協力して、一つの舞台を作り上げているのである。文学部研究会合同発表会は決して発表者だけが成果を得られる場ではない。企画運営、司会進行は勿論、会場にいて知識や方法を共有するだけでも大きな意義があるが、その場が学生の手によって作られることに、やはり意義があるのだろう。本発表会が第24回目を数えることができたのも、それゆえであったように思う。発表者や運営スタッフ、参加者にとって、今回の合同発表会はとてもいい学びの場であった。

(文学部研究会総合代表 言語表現学科3年 石橋 祐人)

2012/11/30

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