国際センター主催のオーストラリア短期海外研修
「日本人は世界一真面目な人々」

仲間と記念撮影
仲間と記念撮影(西出さんは後方左端)
日経企業から説明を受ける学生たち
日系企業から説明を受ける学生たち

 夏期長期休暇中に、国際センターの海外短期研修でオーストラリアのシドニーへ2週間滞在しました。午前中は現地のシドニー大学で語学研修、午後は日系企業への訪問、滞在形式はホームステイでした。シドニー大学に通う世界中の学生と触れあう事、オーストラリアで活躍する日本のビジネスマンに話を伺う事で、2週間という短い滞在期間でありながらとても多くの経験ができました。その中で、私が感じた日本とオーストラリアの文化の違いを少し紹介していきます。

(1)時間への感覚
 シドニー大学までの通学で、バスが定 時に来た事は滞在中一度もありませんでした。遅れるだけではなく早く来ることもあります。早く来たバスは定時を待つことはなく、バス停にいる人を乗せたら出発してしまいます。現地の人々はいつもその事を何とも思っていない様子でした。企業訪問でお世話になった方々は、普段はオーストラリアの人と共に働いているのですが、やはり「時間」に対する考え方が日本人とそれ以外の国の方では全然違うらしく、手を焼くこともあるのだといいます。
 「日本人は世界一真面目な人々」。これは、企業訪問でお世話になった方々が口を揃えて言われた言葉です。日本人はルールを守り、個人ではなく組織を尊重するからだそうです。そして相手を敬う気持ちを大事にしています。そういった日本人的な人柄で、築かれた信頼関係から多くの外国人の方は、日本人は信頼できる世界一真面目な人々と思っています。これから社会へ出ていく私たちの世代としては、その評価に甘んじることなく、日本人としてのプライドを持って生きていかなければならないと思います。

(2)宗教
 オーストラリアへ行かなければ肌で感じることができなかった文化に「宗教」があります。シドニー大学で私に割り当てられたクラスにはサウジアラビアやイラン、いわゆるイスラム圏から来た男性の留学生が多く、休日に行ったシドニーのビーチの写真を見せたら、水着の女性を見た途端に怒り出しました。イスラム教では自分の奥さん以外の女性の素肌を見ることを絶対にしてはいけないことと定めているそうです。無宗教の人が多い日本人の無知によって思わぬトラブルを招く危険性があることを思い知りました。
 私は最初「中国人や韓国人は皆日本人が嫌いなのだろう」と考えていましたが、オーストラリアで知り合った中国人、韓国人は皆友好的で、「日本の漫画をいつも見ている」「日本のアイドルが好きだ」と話す彼らの様子に、多少なりにも偏見の目を持っていた自分が恥かしくなりました。情報化がとても進んでいる日本で、度重ね報道される中国や韓国の反日報道には過剰の部分もあるのでしょう。同じアジアのコミュニティとして、目先の情報だけに囚われることなく、手を取り合っていかなければならないと思えたこの経験は、今回の留学で得た大きなものの一つです。

 海外の文化に触れてみようとグローバルに考える日本の学生は少なくなってきていると聞きます。企業訪問先の方もそれを危惧されていました。私は海外留学の経験を糧に行動し、これから就職活動へ挑んでいきます。国境を繋ぐのは、語学力ではなく、日本人にとってはほんの少しの踏み出す勇気だと思います。行動力と積極性です。片言の英語でも『伝えよう』という気持ちを持って積極的に話しかければ、聞き手の外国人は『分かろう』と努力してくれます。

(経済学部3年 西出 健志郎) 

2011/11/04

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