第22回文学部研究会合同発表会
教員や院生、卒業生、他大学の学生ら50人を超す来場者

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  中京大学文学部には研究会という組織があり、有志が興味のある研究会に所属している。研究会は全九つ。上代・中古・中世・近世・近代の文学を扱う研究会と、時事問題・日本語・広告といった言語や表現について学ぶ研究会、教職課程を履修している学生が所属する国語教育に関する研究会など、活動内容は様々である。自分が選んだテーマについて発表し、それについて意見交換を行う研究会もあれば、顧問の先生が講義形式で進めていく研究会もある。そうして様々な方法で学んできた成果を発表する「文学部研究会合同発表会」が11月13日、名古屋キャンパスで開催された。

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  本年度の文学部研究会合同発表会では、6つの研究会から7人が研究発表を行った。本年度は、昨年度まで活動報告に止まっていた研究会“お茶会”と、ここ数年発表会での発表が無くなっていた国語教育研究会からも発表者が出たことで、より内容が多彩になった。会場には研究会会員だけでなく、文学部教員や大学院生、卒業生や他大学の学生など50名を超す来場者が集まり、それぞれの研究発表を熱心に聞いていた。
  昨年度の発表において質疑応答が白熱し予定時間を超過してしまったことを考慮して、質疑応答を例年より5分長く設定し進行していたのだが、質疑応答の時間にオーディエンス同士で意見が衝突する場面が見られるなど、昨年度以上に白熱する場面が見られた。発表会は12時30分に開場してから18時10分に閉会するまでの、5時間を超える長丁場であったが、発表が最後に近づくにつれて、さらに会場の雰囲気も盛り上がっていくようであった。

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  発表後、先生方や卒業生の方々から「聴いていて本当に楽しかった。」「昨年度よりも発表内容の精度が増している。」という声を頂くことができた。また発表者も、自分の卒業研究に生かしたり、今後の研究会活動の糧にするなど、目的は様々であるが、それぞれに収穫があったようである。
  合同発表会の企画・運営は各研究会の代表を中心に行い、準備は研究会会員が一丸となって行った。普段、我々研究会員は自分たちの研究活動以外の研究に触れることがない。その中で、別の研究会員同士が協力して、一つの舞台を作り上げているのである。文学部研究会合同発表会は決して発表者だけが成果を得られる場ではない。企画運営、司会進行は勿論、会場にいて知識や方法を共有するだけでも大きな意義があるが、その場が学生の手によって作られることに、やはり意義があるのだろう。本発表会が第22回目を数えることができたのも、それゆえであったように思う。発表者や運営スタッフ、参加者にとって、今回の合同発表会はとてもいい学びの場であった。

(文学部研究会総合代表 言語表現学科3年 松崎 晃)

 

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「地域広告制作」広告研究会
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織田 大輔(言語表現3)
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―縵児(カヅラコ)作品をめぐって―」
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「『春琴抄』研究―小説と映画の比較」
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「童話作家小川未明の始発―『赤い船』まで」国語教育研究会
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2010/11/30

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