近田彰治さん(体育博士2年)が奨励賞に輝く
第20回日本バイオメカニクス学会大会口頭英語発表

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奨励賞に輝いた近田さん(中央)

  体育学研究科博士課程2年生の近田彰治さんが8月28日、第20回日本バイオメカニクス学会大会(8/26-28、仙台大学)の口頭英語発表で、35歳以下の若手研究者に贈られる奨励賞に輝いた。
  近田さんは、「Scapulothoracic and glenohumeral joint rotation during backswing phase in tennis serve」のテーマで発表し、64題の発表の中から選ばれた。

 

◆近田彰治さん「奨励賞を受賞して」◆

  この度、第20回日本バイオメカニクス学会大会において、奨励賞を頂くことができたことをたいへん光栄に思います。今回の学会に限らず、修士課程から長きにわたり御指導頂いております桜井伸二先生(中京大学体育学部教授)、矢内利政先生(早稲田大学スポーツ科学学術院教授)、清水卓也先生(中京大学保健センター長)には多大なる感謝をしております。また、これまで私の実験・研究等に協力して下さっている体育学研究科応用スポーツ科学系の諸先輩方や研究室の皆様に感謝しています。
  今回の学会では、International Sessionという英語での口頭発表セッションが設けられており、そこで発表を致しました。私自身、英語での口頭発表は今回が初めてでした。研究者として国際的に活動していくには英語が不可欠であることはこれまでも痛感していましたが、今回はそのためのステップアップ、経験を積むためのいい機会だと考え、International Sessionでの発表を行いました。また、発表後の質疑応答でも会場からいくつかの質問やコメントを頂き、今後の研究活動への励みとなりました。
  今回の学会では[SCAPULOTHORACIC AND GLENOHUMERAL JOINT ROTATION DURING BACKSWING PHASE IN TENNIS SERVE]という、テニスのサーブ動作中の「肩」の動きを詳細に分析した結果を発表しました。「肩」というのは本来、いくつかの骨と関節によって構成される「肩複合体」として機能しています。しかし、これまでのスポーツ・バイオメカニクス(運動・スポーツを力学的に分析する学問)の研究では、「肩関節」 の動きについては多くの研究がなされてきましたが、「肩甲骨」の動きを含めた「肩複合体」としての機能を分析した研究はなされてきませんでした。そこで私たちは、「肩甲骨」の動きを計測することによって「肩複合体」としての機能について研究を行ってきました。
  現在、どのスポーツでも「肩甲骨」への注目は非常に高いと思われます。しかし、「肩甲骨の動き」についてバイオメカニクスの手法を用いて、「科学的」に分析された信頼のおける知見というのは、スポーツ・パフォーマンス分析の分野においてはほとんどないのではないかと思います。今回、奨励賞を頂くことができたことを機に、さらに研究を進め、スポーツ・パフォーマンスにおける「肩複合体」の運動の力学的メカニズムを解明していくことにより、競技力向上やスポーツ傷害の予防に役立つような知見を得ることができるよう努力していきたいと思います。そして、日本国内のみならず、国際的に情報を発信できる研究者として活動できるよう、この中京大学体育学研究科の博士後期課程で十分に学んでいきたいと思います。

(体育学研究科博士課程2年・近田 彰治)

2008/10/10

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