企業研究所

 

Institute of Business Studies

CHUKYO UNIVERSITY

研 究 会

  各プロジェクトの研究発表及び勉強会を随時開催している。最近時に開催された研究会は次の通りである。


  日 時:平成14年10月29日(火)

  題 目:「Malaysian Society, Economy and Higher Education」

  講 師: Wan Sharina Ramlah W.A.A .Jaffri 先生(マレーシア・マラヤ大学講師)中京大学客員研究員

 「ルック・イースト」政策で知られるマハティール首相率いるマレーシアについては新聞等で断片的な紹介はなされているが、マレーシアという国家そのものについてのわれわれの理解は不充分であると言わざるを得ない。

 研究会における本報告「マレーシアの社会・経済および高等教育」は、マレーシアについての全般的な説明であり、所員が地域研究をする上で知っておくべき基礎的諸事実を紹介するという趣旨でおこなわれた。報告はマレーシアの社会、マレーシアの経済、およびマレーシアの高等教育についてなされた。

 @マレーシアの社会については、人口・地理上の位置といった基礎資料の説明からはじまり、多民族国家であるマレーシアの人口構成にしめる各民族の比率、さらにマレー系・中華系・インド系住民内部に存在する出身地別内部グループの類型およびその社会階層あるいは特定の職業との関連性などについての説明があった。

 Aマレーシア経済については、マレーシアの通史としての被植民地期間および統治国の変遷(ポルトガル―オランダ―イギリス)とそれぞれの植民地政策の説明からはじまり、独立後の経済政策および1970年以降にはじまる「新経済政策」の目的(貧困の撲滅とマレーシア社会の再構築)および政策概要が説明された。

 経済政策については、1950年代(農業経済、ゴム、パーム油、スズなどの原材料輸出の政策)、1960年代(イギリス・日本などからの外資の直接投資の受け入れ、インフラ整備および投資環境整備)、1970年代(製造業・石油産業の成長政策、林業とパーム油の輸出強化)、1980年代(産業民営化政策、石油の輸出強化)、1990年代(観光産業、木材加工産業、巨大プロジェクトによる経済浮揚政策)、1990年以降(外国技術導入、情報インフラ整備、農業改革)と10年刻みの経済政策のポイントとそれぞれの経済的成果について説明がなされた。

 Bマレーシアの高等教育については、6-3-2-2の年限で行われる初等・中等教育システムの特質および大学を中心とする高等教育の現状について説明がなされた。

 報告は、パワーポイントで整理された英文資料に沿って、英語での説明および質疑応答であったが、所員およびスリランカや中国などの留学生からも多くの発言があり、有意義な研究会となった。

 最後に、Jaffri先生の所属するマラヤ大学は1949年に創立されたマレーシアで最も歴史のある国立大学であり、マレーシアを代表する大学である。中京大学客員研究員として先生を招聘できたことは中京大学としても喜ばしいことであり、両大学の学術交流が今後さらに拡大することを期待したい。


  日 時:平成14年2月28日(木)

  題 目:「わが国における産官学連携政策の現状と課題」

  講 師: 日本福祉大学 小竹暢隆氏

 中小企業研究所は2月28日(木)に日本福祉大学の小竹暢隆氏を招いて研究会を開催した。テーマは、昨今、イノベーション政策として注目されている「産官学連携政策」の現状と課題についてであった。

 建物といったハードでなく、産官学をつなぐのは人的資源であり、人をベースにしたネットワーク構築が重要な課題であることが指摘された。近隣大学、実業界からも参加者を得て、活発な議論が交わされた。


  日 時:平成13年11月13日(火)

  題 目:「日本における女性起業の現状と政策課題」

  講 師: ニッセイ基礎研究所主任研究員 小豆川裕子氏

 中小企業研究所は東京のニッセイ基礎研究所から小豆川裕子氏をお招きして、研究会を11月13日(火)に開催した。テーマはわが国における女性起業の現状とその問題点に関してであった。

 小豆川氏は国際比較を交えながら、産業別、年齢別動向について女性による起業の現状を分析されたあと、国や地方自治体の支援策の特徴と今後の改善点についても現況された。

 テーマ設定もあり、経営学部の女子学生も多数聴講し、スピーカー、教員などとの間で活発な議論が展開した。


  日 時:平成13年10月9日(火)

  題 目:「地域という視点から見た今後の中小企業政策」

  講 師: 大阪市立大学教授 辻悟一氏

 辻教授は、経済地理学者からみた中小企業政策について、いままでの問題点をふまえながら、これからの方向についてふれられた。

 とくに、同教授はいままで研究されてきた繊維産地、とりわけ、大阪南部と今治のタオル工業を事例として、こうした地域の活性化にどのような中小企業政策が適切であるかを論じた。また、グローバル化のなかで、地域そのものの概念の変化についても述べられた。

 近隣大学の研究者、経済団体関係者など外部の方も参加され、活発な意見交換がおこなわれた。


  日 時:平成13年6月15日(金)

  題 目:「日本のハイテク政策−IT革命をめぐって−」

  講 師: 関西学院大学経済学部 西田稔教授

 6月15日(金)に関西学院大学経済学部の西田稔教授(経済政策)をお招きして、研究会を開催した。西田教授は日本のハイテク政策について、IT(情報技術)革命に焦点を絞ってその問題点と課題を論じられた。

 ハイテク政策については、新規企業の参入、公正な取引を促す競争政策などの強化が重要であり、政府の役割は従来の直接的なものからより間接的なものへと変容すべきことが強調された。

 西田教授の報告のあと、本学の教員などに加え、近隣大学の研究者も討論に参加していただき、今後のハイテク政策のあるべき姿について活発な意見交換が行われた。


  日 時:平成13年2月13日(火)

  題 目:「起業家原論−新しいライフサイエンス事業の構築の中で−」

  講 師: ミトレーベン研究所代表 植田秀雄氏

 植田氏は大学で生化学を専攻された後、数社の化学会社で研究開発を経験し、約8年前に呼気測定機器の研究開発型企業を起こされた。

 講演では、日本の医療問題へのバイオ的発想と、好きなことをすることがベンチャーという発想がミトレーベン研究所設立につながったことを強調された。

  教員だけでなく、これから起業を考えている学部生、ベンチャーを研究する大学院生も参加して、資金繰り、公的支援のあり方、ベンチャー型経営について質問も出され、活発な議論が展開された。


  日 時:平成12年10月12、13日

  題 目:「移行期経済と中小企業の役割―ルーマニア経済を中心として―」

  講 師:ルーマニア経済大学ニコレスキュ教授、同アンドロニシヌ助教授

      在東京ルーマニア大使館経済担当公使マノラケ氏

 ルーマニア経済大学のニコレスキュ教授(中小企業経営論)、アンドロニシヌ助教授(経営学)、在東京ルーマニア大使館の経済担当公使マノラケ氏を講師に迎え、10月12日(木)・13日(金)の2日間にわたって、研究会「移行期経済と中小企業の役割―ルーマニア経済を中心として―」を中小企業研究所にて開催した。

 両日で学内の教員、近隣大学の研究者、名古屋の公的機関専門家のほかに、東京と大阪などからも中東欧経済の専門家も参加して、ルーマニア経済の現状、今後の発展方向をめぐって活発な討議と意見交換が進められた。

 また、ニコレスキュ教授は国際会議などで旧知の小川学長を表敬訪問され、今後の学術交流のあり方などについて意見交換をされた。さらに、同教授は今後、資料交換や研究者交流の面で、中小企業研究所との協力関係を築きたいとの意向を強く示された。


  日 時:平成12年6月20日(火)

  題 目:「ベンチャー振興における公的支援サービスの役割」

  講 師: 鞄且争逅ャ総合研究所経営相談部長 興津覚氏

 6月20日(火)に鞄且争逅ャ総合研究所の経営相談部長の興津覚氏を招いて、ベンチャー企業振興における投資育成会社など公的部門の果たすべき役割について研究会を開催した。

 興津氏はベンチャー振興における直接金融(初期株式投資)の重要性を力説、わが国ベンチャー支援の公的制度の現状とその問題点を整理された。さらに、中小企業技術革新促進制度(SBIR)について、日米比較を行い、その運用面の課題を自らの経験から明らかにされた。

 最後に、ベンチャー企業について、「95%の技術的成功は市場では0%の成功、すなわち、全くの失敗を意味する。100%の技術的な成功でなければならない」と結ばれた。討議では教員、院生と興津氏の間で熱心な意見交換が行われた。


  日 時:平成12年5月23日(火)

  題 目:「わが国の中小企業金融の現状と問題点」

  講 師: 商工総合研究所 主任研究員 村上雄次氏

5月23日(水)に中小企業研究所で、商工組合金融公庫の商工総合研究所の村上雄次氏を招いて、わが国の中小企業金融の現状、とりわけバブル崩壊後の貸し渋り問題などを取り上げた。村上氏は最近の中小企業金融の状況を、貸し手である金融機関の現状、借り手である中小企業の経営実態の側面から詳細な分析を行った。

中小企業の現状分析では、特別信用保証制度の影響、中小企業の財務状況、とりわけ、手元流動性、資金調達、収益などを取り上げ、金融機関の構造問題にもふれつつ、中小企業金融の今後を展望された。

本学教員だけでなく、近隣大学の教員、院生、学部生など多数の参加を得て、活発な意見交換を行った。


  日 時:平成12年3月29日(水)

  題 目:「ハイテク中小企業振興の日独比較」

  講 師:ドイツ・パーデルボーン大学 カール・ハインツ・シュミット教授

 シュミット教授を迎え、日独のハイテク中小企業の存立をめぐる問題点とその振興に関わる政策的課題について研究会を開催した。

 シュミット教授はグローバル経済化の中で、新たな統合市場が出現し、中小企業にもビジネスチャンスが拡大したことが強調された。他方、中小企業がハイテクなど革新的技術を持たないとグローバル化の中で、その存立が揺さぶられる側面もあることも指摘された。

 小川学長も参加され、研究所員、院生との間に活発な討議と意見交換が行われ、主としてドイツと日本との間に共通する問題点と課題が多いことに議論が集中した。いかに今後、ハイテク中小企業を振興するか。そのためには再訓練制度などの刷新をどのように図るか、あるいは、ベンチャー型投資を評価するための人材訓練などの取り組みをどうすべきか、さまざまな意見が出された。


  日 時:平成12年2月1日(火)

  題 目:「日独の創業支援政策」

  講 師:ブレーメン大学研究員 エダ・ローベック氏

 ドイツ・ブレーメン大学のエダ・ローベック氏を招いて、中小企業政策研究会を開催した。日本と同様、ドイツでも失業問題や沈滞する地域経済の改善や振興への手だてとして、新規創業支援が大きな政策課題となってきている。

 今回の来日もブレーメン州政府の同大学への日独政策比較委託調査の一環として来日された。同氏の日本調査に当研究所が協力した関係で報告をお願いした。

 エダ氏は名古屋地区インキュベータでの調査結果を中心に、所員との意見交換を行った。報告と意見交換では、日独双方とも産学官の協力関係に加え、インターネット社会でのビジネス展開、インキュベータ施設のあり方などについて日独双方とも多くの共通課題と問題点があることが確認された。


  日 時:平成11年11月22日(月)

  題 目:「これからの中小企業政策を考える」

      −ドイツの悩みの事例を中心として−

  講 師:神戸市外国語大学 近藤義晴教授

 11月22日(月)、神戸市外国語大学教授の近藤義晴氏を招き、ドイツの経済問題を中心にすえ、そこでの中小企業問題(ハントベルク=手工業分野を含む)の現状とドイツ政府の打開策の方向について報告をしてもらった。

 もっとも大きな問題は、旧東ドイツ統合による負担、産業構造転換の遅れによる構造的な失業問題、大企業の資本流出(外国直接投資)などによって引き起こされた点にある。この影響を受けているのは中小企業であり、ドイツ政府はハイテク振興に関わる制度的改変などによる転換を進めようとしている。だが、多くの問題があり容易に進まない現状とその問題についても明らかになった。

 他方、ドイツの中小企業政策を特徴づけるハントベルク制度の現状と今後の方向についても報告され、この点に関しては参加者から多くの質問が出されたとともに、活発な意見交換と討論が行われた。


  日 時:平成11年11月16日(火)

  題 目:「東南アジアの中小企業の現状分析」

      −成長と停滞の構造問題をめぐって−

  講 師:さくら総合研究所環太平洋研究センター 向山英彦主任研究員

 11月16日(火)、さくら総合研究所環太平洋研究センターの向山英彦氏を講師に招き、東アジア(韓国・台湾・タイ・マレーシア)の中小企業の現状と問題点について知見を深めることができた。

 アジア通貨危機後の各国の中小企業をめぐる構造的問題によって、成長と停滞の構図が明らかになった状況を、向山氏は現地調査などの結果を踏まえて分析を行った。院生などの参加も得て、活発な意見交換と討議が行われた。


  日 時:平成11年7月27日(火)

  題 目:「ハイテク中小企業支援策の日独比較」

  講 師:ドイツ ブレーメン大学 コーネリア・ストルツ教授

ドイツで最近、増加している「準独立企業」の話しを中心に講演がなされた。ドイツでは大企業が従業員を経営者として独立させつつ、元企業が独立した経営者の社会保険を肩代わりし、独立した企業と取引を進めながら事業拡大を促していく、準独立企業が増加しており、国も準独立企業を支援する法律を改正する準備を進めている様子が報告された。

 この報告に対して、準独立企業が国、親会社、独立した経営者にもたらすメリットについて、またベンチャー企業との関連について、そして日本でもこのような企業が登場してくるのかについて、活発な意見交換が行なわれた。


  日 時:平成11年5月25日(火)

  題 目:「これからの中小企業政策を考える」

       −何が問題で、何を変えるべきか−

  講 師:政治アナリスト杉原佳尭氏

5月25日(火)に政治アナリスト杉原良孝氏を招き、所内研究会を開催した。日本の中小企業政策の現状に焦点を絞り、何が問題で、何を変えるべきなのか。このテーマに関して、政治経済学からの切れ味の良い分析が行なわれた。

バラマキ政策からの脱却と、競争政策の確立と税制改革が今後の鍵を握ることが強調された。欧州や米国の事例も紹介された。参加者は所員のほか、学内関係者、院生、愛知県庁、政府系金融機関、近隣の大学の研究者などの参加も得て、熱心に討議が行なわれた。

 

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(2003年5月更新)