中京大と公立はこだて未来大、学術交流協定を締結 「デジタル・ヒューマニティーズ」など共同研究へ

中京大学と公立はこだて未来大学(北海道函館市)は7月29日、学術交流協定を締結した。調印式が同日、公立はこだて未来大の虎ノ門ヒルズサテライトオフィス(東京都港区)で行われ、安村仁志・中京大学学長と片桐恭弘・公立はこだて未来大学学長が協定書に調印した。 

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 協定調印後に握手する安村学長(右)と片桐学長

 協定の期間は5年。情報技術を人文社会科学分野に活用する「デジタル・ヒューマニティーズ(DH)」、「メディア交流」の分野で共同研究を進める覚書を同時に結んだ。

 安村学長は「DHは、文系の学問と最新の情報技術を組み合わせて学問研究を進めていくが、これは素晴らしい。メディア交流も大事なテーマです。人的な交流も盛んにしたい」と協定の意義を強調した。

 片桐学長は「国内の大学との学術交流はこれまでもあるが、今回のように研究テーマがはっきりしているケースは我々としては初めてです。交流の入り口がはっきりしていることはとてもいいことです。互いの技術を持ち寄り、いいものを作りたい。教員同士の交流、学生同士の交流も促進していきたい」と交流促進への期待を述べた。

 DH研究では、日本の近代公文書を自動解読するための技術、システムの開発を行う。中京大学社会科学研究所が、戦前の「台湾総督府」が保管していた手書きの公文書を解読し、目録の編纂などに取り組んできたが、文書量が膨大なため、自動的に解読できるシステム開発を目指す。技術的には、中京大学が蓄積してきた、人工知能に機械学習によって文字の特徴を理解させるパターン認識の技術を応用する。

 公立はこだて未来大学は、システム情報学部1学部の情報系単科大学。川嶋稔夫教授(副学長)、寺沢憲吾教授らのグループは、走り書きの同じ文字を見つける「文書画像検索システム」をすでに開発しており、この技術の応用も期待されている。

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調印式に参加したみなさん

 

 

2016/07/29

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