定年退職者を主な対象にした社会人選抜、中京大学経営学研究科が2017年度大学院入試から導入

 中京大学経営学研究科は、定年退職者を主な対象とした新しい社会人選抜「有験者特別選抜」(定員若干名)を、2017年度大学院入試から導入する。企業などで働く“現役世代”を対象にした社会人選抜は一般的に行われているが、定年退職者を主な対象にした大学院入試は全国的に珍しい。

 

 経営学研究科の「有験者特別選抜」は、企業で長年勤めた人の経験が、社会的に貴重な財産であり、経営学的にも価値のある事例ととらえ、そうした経験を学術的に整理し、社会に発信する機会を設ける。定年後の新たな「第二の人生」を助ける意味もある。

試験の前期日程は、出願期間が2016年9月1日から9月12日。試験は10月1日(土)に中京大学名古屋キャンパスで行う。一般選抜は筆記試験と面接だが、「有験者特別選抜」は面接のみの選考となる。後期日程は2017年1月に出願期間を設ける。

 

 大学院生には専用の研究室があり、専用の机と本棚、パソコンが提供される。研究用図書の購入費として年間3万5000円の補助があり、年間2500枚分のコピーカードが支給される。学会などへの参加費についても年間上限4万円の補助がある。

 「有験者特別選抜」で修士号を取得した成績優秀者は、中京大学経営学部の非常勤講師として推薦される可能性もある。企業現場の経験に学術的要素を加えて学部生に伝えてもらい、キャリア教育の充実を図る狙いもある。

 

 新制度について、銭佑錫(ぜん・うそく)・中京大学経営学研究科長は、「年配の方が多いと思われますが、研究指導で手を抜くつもりはありません。しかし実際には、一方的な指導というよりは、互いが学びあう場になるのではないかと考えています。この制度が大学教員だけでは教えきれなかった、企業現場での経験や知恵を世代を超えて伝えていく足掛かりになればと期待しています」と話している。

2016/07/25

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