国際教養学部2年生7人が留学先5カ国での研究成果を発表
「スペイン人と日本人のパーソナルスペース」「フランスの風刺画」などテーマに

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120人が参加した「海外課題研究報告会」

 

 国際教養学部の選択科目「海外課題研究」で海外留学した学生7人が2月2日、研究成果を報告した。他の学生の研究成果を聞こうと参加した同級生のほか、同様の留学を来年度に予定している1年生や教職員ら計120人が発表に耳を傾けた。

 留学先は、フランス、スペイン、ドイツ、ロシア、中国の5カ国で、専攻する第二外国語に基づく。今年度は43人が履修し、語学習得だけでなく、留学先の文化や社会に関連した研究も行った。

 国際教養学部では、5つの国から選択した第二外国語と英語の習得を学部教育の柱としている。海外課題研究では、2または3年生が、春学期に1セメスター(1学期間)留学する。

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優秀報告者の宮崎さん

 報告会に出席した学生と教員による投票の結果、宮崎公輔さんによる「パーソナルスペース~スペイン人と日本人を比較して」が優秀報告者の1位に選ばれた。

 パーソナルスペースの分類と人種間の差について17歳から22歳のスペイン人と日本人を比較した。会話や電車内を想定した調査により、日本人は知らない相手だと距離を取る傾向があることが分かった。

 2位には2015年におこったフランスのシャルリエドブ紙の襲撃事件をきっかけとした小土橋映里(こつちはし)さんの「風刺画の表現とフランス」が選ばれた。

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2位に選ばれた小土橋さん

 2015年8-12月に43人が留学したのは、レンヌ第二大(フランス)、パブロ・デ・オラビデ大(スペイン)、IIK(デュッセルドルフ、ドイツ)、サンクト・ペテルブルグ大(ロシア)、上海大、蘇州大(中国)の6大学。履修生は、それぞれが関心や疑問を抱いたテーマの研究に取り組みながら、提携先大学の語学研修プログラムを受講した。現地では磨いた語学力を駆使して研究の対象とした地域に赴いて聞き取りをしたり、店舗や施設で検証を重ねながら研究を進めてきた。

 留学の効果を高めるため、「海外課題研究」は留学前に情報収集や語学の学習計画をまとめた計画書、帰国後は研究結果と語学上の観察や自己評価などについて報告書の提出を必須としている。杉江修治学部長は「誰もが成長したいと考えているが、成長するためには人との信頼関係が大事。留学した人、これから海外の方と接する人も信頼が前提となる。残りの大学生活も有意義に」と話していた。

■発表者と研究テーマ(発表順)

「風刺画の表現とフランス」 小土橋映里 (フランス語)
「セビージャに残るイスラム文化」 佐倉瑠衣(るい) (スペイン語)
「パン屋とドイツの人々」 前田恵理子 (ドイツ語)
「サンクト・ペテルブルクにおける第2次世界大戦の歴史と戦跡」 花田千幹(かずき) (ロシア語)
「中国のお笑い文化」 奥村優 (中国語)
「ワインの地を巡って」 鈴木悠馬 (フランス語)
「パーソナルスペース ~スペイン人と日本人を比較して~」 宮崎公輔 (スペイン語)

2016/02/03

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